横山裕が語る“芸能界の権力者”との対峙を演じた苦労「ずっとしんどかった」

 ABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』が11月19日より毎週水曜よる10時にABEMAにて無料配信される。

 本作は、大手事務所からタレントとともに独立した女性社長が所属俳優のスキャンダルをきっかけに芸能事務所と週刊誌の“禁断の攻防戦”を描くサスペンスドラマ。

 そんな芸能界の裏側に迫るドラマに、SUPER EIGHTの横山裕が出演する。今年に入り、ソロプロジェクトや、『24時間テレビ』のチャリティーマラソンランナーなど挑戦が続いている横山。彼は、なぜ挑戦し続けるのか話を聞いた。(於ありさ)

「この作品を地上波で放送できるようにならなければならない」

横山裕

――今回オファーを受けた理由をお伺いしてよろしいですか?

横山裕(以下、横山):去年、グループが20周年を終えたこともあって、マネージャーと“2025年何する?”って話になったんです。そのときに「ソロプロジェクトを立ち上げたりとか、なんかちょっと挑戦してみようかな」って思ったんですよね。それで演技でもやったことのない役をやってみたいなと思っていたときに、このお話が来たので、言霊ってあるんやなと。さらに信頼している藤野良太さんの作品だったこともあって、やってみることにしました。

――ストーリーを読んだ感想はいかがでしょうか?

横山:“芸能”にフォーカスしていて、僕は中の人間やから“うわっ”と思いますけど、これをエンタメとして見たらすごくおもしろいと思うんです。フィクションとノンフィクションの狭間ぐらいのリアルさも絶妙やし。

――地上波では、なかなか放送できなさそうな内容ですよね?

横山:でも、これが地上波で放送できるようにならなければいけないんじゃないのかな、とも思っています。「そういう芸能界を目指してるんでしょ? 変わろうとしてるんでしょ?」って。いまこのタイミングでは、配信でしかできない強みみたいなものが見出せているとは思いますけどね。

――制作陣の熱量の高さも感じさせます。

横山:そうですね。企画自体はかなり前からあったと聞いています。そのあいだに、芸能界もすごく動いたと。だから、見ている人からしたら、時間軸的に後出しに見えてしまうんですけど、決して後出しじゃんけんではなくこういう題材を描こうとしたから、ブレずに芯のしっかりした骨太な作品のドラマができあがったと思いました。これを何年も前から動かしていたと思うと、すごい覚悟やなって。

――横山さんは芸能事務所・KODAMAプロダクションに勤めるマネージャーの明石隆之役を演じます。本作の役作りで意識された部分はありますか?

横山:柴咲コウさん演じる芸能事務所社長・(井岡)咲と、鈴木保奈美さん演じるKODAMAプロダクション社長・(児玉)蓉子さんのあいだで、明石はずっと板挟みだったんです。だから、自分の正義と葛藤する表現をすごく大事にしていて、その揺れ動きについて(金井紘)監督と話していましたね。明石という役は、家族に思いが向いていて、守るものがあるから、良くも悪くも保守的になってしまう。でも、咲のように自分から前に出て飛び込んで、夢に向かっている姿がうらやましくもある。その塩梅が役とリンクして、ずっとしんどかったです。

挑戦のモチベーションは、メンバーからの刺激

――「2025年は挑戦」という言葉がでましたが、今年はソロプロジェクトをはじめとし、挑戦尽くしですね。そのなかで、演技のお仕事はどのようなモチベーションなのでしょう?

横山:演技に関しては、なんぼ「やりたい」って言うたって、お話が来なかったらできないわけで。お話が来ること、自分では想像もつかないような役が、いまこのタイミングで来たことに対して、本当にありがたいなと思っています。今回に限らず飛び込んでから見えることもあるので、とりあえずやってみようで、いまは全部やってみてますね。

――今回の役どころも挑戦的ですよね。

横山:すごくセンシティブな部分がありますからね。芸能界が過渡期のなか、いろいろ変わっていかなきゃいけないという状況で賛否も生まれて。そのなかで、この役を僕がやるっていうことは、賛同だけでなく否定的な意見も絶対出てくると思うんです。そういう意味でも挑戦の役だと思います。

――ちなみに挑戦することのモチベーションは、どこにあるのでしょうか?

横山:すごくベタですけど、メンバーの存在かもしれないですね。恥ずかしいですけど。2025年、メンバーがどういったことをしていくつもりなのかというのを聞いて「俺何も考えてへんやん」と思ったんですよ。それで刺激を受けて、いまに至っているので。

挑戦を掻き立てる「SUPER EIGHTでいる意味」

――たしかにSUPER EIGHTのメンバーは、幅広く活躍されています。

横山:純粋に嬉しいですけどね。あ、ドラマやってんねや、映画やるんや、舞台やってるんや、AIで何やってんの、って。会社の取締役もいますから。おもろいですよね。

――そんなメンバーの皆さんを驚かせたいという気持ちもあるのでしょうか?

横山:驚かしたいというよりも「甘んじてたらダメだな」「負けてられへんな」っていう気持ちが強いかもしれません。グループにいるからって、そこにあぐらをかいてるわけにもいかないですし、ほかのメンバーが頑張っているなら、俺もやらないとって。みんなが“こっからまだまだやったんぞ”みたいな感じでやってくれてるから“ああ、じゃあ俺もやったるわ”って。自分を掻き立てるのは、SUPER EIGHTでいる意味みたいなところにあるかもしれませんね。かっこよくいたいなって。

――メンバー同士で、お互いの活動を報告し合ったり?

横山:いや、まったくしないです。もうニュースでしか知らないですね。たまに聞いてくるメンバーもいますけど、僕がこれからやるお仕事について、ニュースで見るまで知らない人がほとんどやと思います。まあ、実際に報告されてもリアクションの取り方がわからんですしね。純粋に「すげえな」とは思うけど。

――横山さんにとって、メンバーはどんな存在でしょう?

横山:メンバーはメンバーですね。最終的にグループがなくなったら、友達にも戻れると思いますけど、いまはそうじゃなくて、同志というか戦友というか、なんかいい関係性やと思います。特別ですよね。

■『スキャンダルイブ』 概要

あらすじ 大手事務所から独立して4年、看板俳優・藤原玖生(浅香航大)を悲願の地上波ドラマ主演にこぎつけた事務所“Rafale”の代表・井岡咲(柴咲コウ)。そんな矢先、井岡の耳に飛び込んできたのは、藤原の「"不倫スキャンダル"が掲載される」という週刊誌からの告知であった。 記事の執筆者は平田奏(川口春奈)。数多の芸能人のスキャンダルを白日の下に晒してきたあの週刊文潮の記者である。 記事発売まで、あと72時間。 スキャンダルの掲載を巡り、事務所と週刊誌の熾烈な争いが火蓋を切る。

そして、スキャンダルの裏側に隠された新事実は、彼らをより芸能界の深い闇へと引き摺り込んでいく――。

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