西武を変えた新助っ人「本当に助かる」 指揮官も激賞…躍進支える"28"の価値

■楽天 6ー3 西武(29日・ベルーナドーム)

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 西武は29日、本拠地ベルーナドームで行われた楽天戦に3-6で逆転負けを喫し、オリックスに抜かれ3位に転落した。とはいえ、今季48試合26勝22敗(勝利.542)で、首位・日本ハムにわずか1ゲーム差。球団ワースト記録の91敗を喫し最下位に沈んだ昨季は、同じ48試合消化時点で既に首位に14.5ゲーム差をつけられ、どん尻だったことを思えば、雲泥の差だ。昨季の西武に無く、今季あるものといえば、“不動の4番”である。

 西武はこの日も初回に先制機をつくった。1死から2番の源田壮亮内野手が右中間を破る三塁打。今季初めて3番を務めた中村剛也内野手は空振り三振に倒れて2死となり、4番タイラー・ネビン外野手が打席に立った。左翼席の応援団が“ハッピーバースデートゥーユー”のメロディを奏でる。この日が28歳の誕生日のネビンは、楽天先発の右腕スペンサー・ハワード投手に対し、フルカウントから内角低めのストレートを“逆方向”へ打ち返した。打球は右前で弾み、西武に11試合連続の先制点が記録された。

 今季の西武の初回の得点は、12球団で最も多い「28」(成績は29日現在、以下同)。“初回先制攻撃の獅子”の軸となっているのが、来日1年目のネビンだ。リードを2点に広げた後の3回1死一、三塁でも、左犠飛を打ち上げて今季26打点目を挙げ、オリックス・中川圭太内野手、ソフトバンク・山川穂高内野手と並びでリーグトップに立った。

 就任1年目の西口文也監督は「(打点トップは)喜ばしいことですね。初回はゲン(源田)が打った後にサンペイ(中村)が倒れて、ぜひ1本欲しいところで、きっち打ってくれた。本当に助かっています」と称えた。

 今季打率.279、5本塁打。得点圏打率となると.350で、チャンスで俄然勝負強さを発揮する。また、24日のロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)から話題の“魚雷バット”を導入すると、以降の5試合で打率.471(17打数8安打)、2本塁打7打点と猛打に拍車がかかっている。

西武で英語が達者なのは「タイラ、イマイ、ゲンダ…」

 4月25日のオリックス戦(ベルーナドーム)以降28試合連続、今季通算29試合で4番を務めている。本人は「4番を打たせてもらっていることは非常に光栄です。何より、1~3番を打つ打者が素晴らしい仕事をしてくれているお陰で、いい場面で打席に入らせてもらっています」と至って謙虚だ。

 昨季の西武は、4番候補として獲得したヘスス・アギラー内野手が右足首の故障などで、結果的に5月8日で早々とシーズンを終えてしまった。30試合出場で打率.204、2本塁打10打点。4番の座は、佐藤龍世内野手と山村崇嘉内野手が32試合ずつ務めたのをはじめ、10人が入れ代わり立ち代わり座った。

 ドラフト2位ルーキー・渡部聖弥外野手の活躍、成長著しい西川愛也外野手の1番定着などもあるが、ネビンが4番の役割を果たしていることは、今季の西武の躍進を語る上で特筆すべきだろう。

 気さくな人柄でもあり、この日の試合前、球団関係者や報道陣から「ハッピーバースデー」と声をかけられると、流ちょうな日本語のアクセントで「ありがとうございます」と応えていた。「メジャーの時も、チームメートにスペイン語が母国語の選手がいれば、少しでもしゃべろうとしていた。言葉を勉強するのが好きなんだよ」と笑顔を振りまく。

「ライオンズのチームメートたちも、英語で話しかけてくれる」と言うので、チームで特に英語が達者な選手を聞くと、「タイラ(平良海馬投手)だね。イマイ(今井達也投手)も上手。野手ではゲンダ(源田)、トノサキ(外崎修汰内野手)かな」と数え上げた。新助っ人の周りにも人の輪ができ、今季の西武のムードは上々だ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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