欧州とウクライナ、ロシアの戦争終結に向けた12項目の提案を準備
欧州諸国は、ロシアのウクライナ侵攻を現行の戦線で終結させることを目指し、12項目の提案についてウクライナと協議している。ロシアのプーチン大統領は、和平合意の条件としてウクライナに領土を割譲させるよう米国に改めて求めたが、欧州とウクライナはこれに反発している。
事情に詳しい関係者によれば、トランプ米大統領が議長を務める平和委員会がこの提案の実施を監督する見通しだ。
提案では、ウクライナに続いてロシアが停戦に合意し、双方が領土拡大を停止することを約束すれば、国外に連行されたウクライナの子ども全員の帰還と捕虜交換を行うことを想定している。ウクライナは安全保障上の保証、戦争被害の復興資金、迅速な欧州連合(EU)加盟に向けた道筋を得ることになる。
また、ロシアに対する制裁は段階的に解除されるが、約3000億ドル(約45兆5600億円)の凍結中の中央銀行準備金は、ロシアがウクライナの戦後復興支援に資金を拠出することに同意した場合にのみ返還される。ロシアが再び近隣国を攻撃した場合、制裁は即座に再発動される。
ウクライナでの戦争は4年目に入ったがロシアはこれまで、現状の戦線に沿った戦闘終結を拒み続けている。
関係者によると、計画の詳細は最終調整中で変更の可能性もある。提案を進めるには米国の支持が必要で、欧州当局者が今週中にも米国を訪問する可能性があるという。
ロシアは、プーチン氏とトランプ氏による早期会談には悲観的だ。インタファクス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は21日、「今後の作業は非常に困難になるだろう」と述べたうえで、「トランプ大統領もプーチン大統領も正確な日程を示しておらず、準備には入念な努力が必要だ」と語った。
欧州指導者らは21日の声明で、和平交渉を可能にするため、現在の戦線でロシアの戦争を即時停止することを「強く支持する」と表明した。
ウクライナを支援する「有志連合」諸国は24日に会合を開く予定だ。23日にはブリュッセルでEU首脳会議が開かれ、ロシアへの追加制裁や、凍結されたロシア中銀資産を活用するウクライナ支援策が協議される見通しだ。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ハンガリーのオルバン首相が親ロシア的な立場を取っていることを理由に、ブダペストを交渉の場とする案を批判したが、招待があればサミットに出席する意向を示した。
原題:Europe and Ukraine Prepare 12-Point Proposal to End Russia’s War
(抜粋)
— 取材協力 Natalia Drozdiak