ツール・ド・フランス2025 ミュール・ド・ブルターニュがゴールの第7ステージはポガチャルが今大会2勝目|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp

フランスで開催中の第112回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月11日に北西部ブルターニュ地方のサン・マローからカテゴリー3のミュール・ド・ブルターニュ頂上までの197kmで、丘越え区間の第7ステージを競い、世界チャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ・XRG/スロベニア)が、ゴールスプリントでデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チームヴィスマ・リースアバイク)を打ち負かし、今大会2勝目を上げた。  

ミュール・ド・ブルターニュは世界チャンピオンのポガチャルが制し、今大会2勝目を上げた (©SprintCycling)

  区間3位は2秒遅れで英国のオスカー・オンリー(チームピクニック・ポストNL)だった。マイヨ・ジョーヌを着ていたオランダのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)は1分20秒遅れの区間22位でゴール。ポガチャルが再び総合首位になった。

区間優勝したポガチャルが再びマイヨ・ジョーヌに戻った (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

トーマスが逃げに加わった

スタートはブルターニュ地方のサン・マローだった (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

  第7ステージは179選手が出走。前日と同じく快晴で気温は30℃近くにまで上がり、暑い1日になった。スタートからアタックと吸収が繰り返され、最初の1時間の平均時速は53.7km/hだった。

55km地点でゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)、アレックス・ボーダン(EFエデュケーション・イージーポスト)、マルコ・ハーラー(チューダープロサイクリング)、エウェン・コスティウ(アルケア・B&Bホテルズ)、イバン・ガルシアコルティナ(モビスターチーム)が逃げ出す事に成功した。

2018年の総合優勝者で、現在39歳のトーマスは今年のツールの最年長選手で、今シーズンでの引退を発表しているため、これが最後のツールだった。集団の後方では、イタリアのマッティーア・カッタネオ(スーダル・クイックステップ)がレースを棄権した。集団はアルペシン・ドゥクーニンクとUAEチーム・エミレーツ・XRGがコントロールし、タイム差は1分半程度にしか開かなかった。  

今季で引退すると表明している39歳のトーマスが逃げに加わった (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

  ゴールまで残り42kmで、ハーラーは脚が攣って脱落し、先頭は4人になった。集団はUAEチーム・エミレーツ・XRGが引き、スプリンターたちは次々と遅れていった。ミュール・ド・ブルターニュの前にあったカテゴリー4のヴィラージュ・ド・ミュール・ド・ブルターニュの丘が始まると、チームヴィスマ・リースアバイクが集団の先頭を引き始めた。

逃げではブルターニュ出身のコスティウが先頭でカテゴリー4の頂上を越え、そのまま1回目のミュール・ド・ブルターニュ(カテゴリー3)を上り始めた。コスティウ以外の逃げは、ここでサイモン・イェーツ(チームヴィスマ・リースアバイク)が先頭を引く集団に吸収された。ゴールまで残り15.2kmの頂上で、コスティウはまだ20秒差を付けて先頭を逃げていた。集団はマイヨ・アポワを着たベルギーチャンピオンのティム・ウェレンス(UAEチーム・エミレーツ・XRG)が先頭に出て頂上を通過し、山岳賞総合首位をキープした。

コスティウは残り12.3kmで捕まってしまったが、この走りで敢闘賞を受賞した。マイヨ・ジョーヌ集団はマルク・ソレル(UAEチーム・エミレーツ・XRG)が先頭を引き続けた。

ゴールまで残り6.2kmで、集団の後方で大きな落車事故が発生し、前日まで総合7位のジョアン・アルメイダ(UAEチーム・エミレーツ・XRG)や前日逃げ勝ったアイルランドのベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)が巻き込まれて遅れてしまった。この落車でオーストラリアのジャック・ヘイグ(バーレーン ヴィクトリアス)がレースを棄権した。

ゴールまで残り2kmで、最後のミュール・ド・ブルターニュの坂が始まり、先頭はウェレンスが引いていた。その後方から、残り1.7kmでポガチャルがアタックし、マイヨ・ブランを着たレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)とヴィンゲゴーが付いていったが、残り1kmのフラム・ルージュで後続に追いつかれ、先頭は10人ほどになった。しかし、この時マイヨ・ジョーヌのファンデルプールは既に遅れていた。

最後はジョナタン・ナルバエス(UAEチーム・エミレーツ・XRG)が先頭を引き、残り200mでスプリントを開始したポガチャルが圧勝した。その1分22秒後にマイヨ・ジョーヌのファンデルプールは、観客に手を振りながらゴールし、初優勝した思い出の地でのレースを楽しんでいた。  

ファンデルプールは2021年に初優勝してマイヨ・ジョーヌを着た思い出の地であるミュール・ド・ブルターニュ区間をマイヨ・ジョーヌで走った (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

  ■区間2勝目を上げて再び総合首位になったポガチャルのコメント 「今日の勝利はとても嬉しい。でも、全てが完璧だったわけではなく、アルメイダは落車の後でレントゲン検査を受けている。もちろんマイヨ・ジョーヌになって区間優勝するのは素晴らしいが、ウェレンスがボクに言ったように、アルメイダが総合であれだけ近かったのは豪華だった。彼にとってもチャンスだった。彼はすごく調子が良いから、骨折がなくてレースを続けられる事を望んている」

ポガチャルはポイント賞でも総合首位に戻り、2位のミランに34ポイント差を付けている (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

  ■第7ステージ結果 [7月11日/サン・マロー~ミュール・ド・ブルターニュ ゲルレダン/197 km] 1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 04h 05′ 39” 2. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) 3. O. ONLEY (TEAM PICNIC POSTNL / GBR) + 00′ 02” 4. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUT) + 00′ 02” 5. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 02” 6. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 02” 7. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 00′ 02” 8. J. NARVAEZ (UAE TEAM EMIRATES XRG / ECU) + 00′ 07” 9. A. LAURANCE (INEOS GRENADIERS / FRA) + 00′ 15” 10. T. JOHANNESSEN (UNO-X MOBILITY / NOR) + 00′ 21” 16. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 21”

22. M. VAN DER POEL (ALPECIN-DECEUNINCK / NED) + 01′ 20”

■第7ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ) 1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 25h 58′ 04” 2. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 54” 3. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 01′ 11” 4. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 01′ 17” 5. M. VAN DER POEL (ALPECIN-DECEUNINCK / NED) + 01′ 29” 6. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 01′ 34” 7. O. ONLEY (TEAM PICNIC POSTNL / GBR) + 02′ 49” 8. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 03′ 02” 9. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 03′ 06”

10. M. SKJELMOSE (LIDL-TREK / DEN) + 03′ 43”

[各賞] ■ポイント賞:T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO)

(※第8ステージは J. MILAN (LIDL-TREK / ITA) が着用)

■山岳賞 : T. WELLENS (UAE TEAM EMIRATES XRG / BEL) ■新人賞 :R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) ■チーム成績:TEAM VISMA | LEASE A BIKE (NED) ■敢闘賞 : E. COSTIOU (ARKEA-B&B HOTELS / FRA)

最後まで逃げた地元フランスのコスティウが敢闘賞を獲得した (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

  第8ステージはスプリント・ステージ

●第8ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

  7月11日はルイゾン・ボベの故郷であるフランス北西部ブルターニュ地方のサン・メアン・ル・グランをスタートし、ペイ・ド・ラ・ロワール地方のラヴァル(エスパス・マイエンヌ)までの171.4 kmで、平坦区間の第8ステージが行われる。丘越え区間が続いた後で、集団ゴールスプリントが期待されるステージだ。

(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

ツール・ド・フランス 公式サイト

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