しっかりボールを奪い切る。奪ったボールは素早く前線へ。これこそが今のマリノスができるアタッキングフットボールではないでしょうか [下平匠の「匠の視点」]
匠の視点vol.39
構成:藤井 雅彦
OBの下平匠氏が横浜F・マリノスについて語り尽くす『匠の視点』。
鹿島戦でのリーグ戦8試合ぶりの勝利は、ボール保持率34%で掴んだ執念の勝ち点3だった。
そのサッカーを下平氏は「今のマリノスができるアタッキングフットボール」と評した。
ピッチ内でのベクトルが一本化され、全員が統一感を持って戦うトリコロール。
ようやく次への一歩を踏み出したターニングポイントを、あらためて紐解いていく。
全員に触れないと気が済みませんでした!!
マリノスファミリーのみなさん、本当におめでとうございます!!
ようやく、ようやくリーグ戦今季2勝目です!!
前回の勝利は、僕がイベントに参加した試合だったので、あれからずっと勝てなくて少し罪悪感を抱いていました。ここまで勝てないマリノスは僕の記憶にありません。僕を含めて、ファン・サポーターの皆さんも「そろそろ勝つだろう」と、そんな思いでスタジアムに向かったり、DAZNを開いていたのではないでしょうか。こんなに長いトンネルになるとは、微塵も思っていなかったはずです。
ボールを支配し、相手を圧倒し、試合を制する。そんな攻撃的なマリノスではなかったかもしれませんが、それでも勝ちには変わりありません。控えめに言って最高です!!
ひろき君の落ち着いたシュートセーブ、マツケンやデン選手の鬼気迫る守備、加藤選手の勝ち気なプレー、永戸選手の右足シュート。僕は右足であんなにしっかりミートして蹴れた試しがありません(笑)。
山根選手の変態アウトサイドアシスト、マテウス選手の憎らしいくらいの決定力、遠野選手や植中選手のめちゃくちゃ助かる献身的なプレー、全ゴールに絡むロペス選手、そしてキーボーが終盤に見せた柴崎選手への激しく強いプレッシャー。
本当はもっとまとまった文章を書きたいけれど、今日は許してください。全員に触れないと気が済みませんでした!! DAZNで見ていても伝わってくる熱量、スタジアムで観たかった。鹿島相手にあれだけ球際で勝ちまくる、魂のこもった、本当に気持ちいい試合でした。
この試合を浮上のきっかけにして、目の前の一つひとつの試合に向かっていってほしいです。
今のマリノスができるアタッキングフットボール
みんながそろそろ勝つだろうと思っていたマリノス。では、なぜここまで勝てなかったのか。僕は内部の人間ではないので戦術的な部分はわかりませんが、外から見るかぎりピッチレベルでの選手のベクトルがズレていたように思います。
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