FW山下虎太郎が2戦連続ハット!! 大津、前回王者・昌平に5-0快勝で10大会ぶり4強入り!!

[7.31 総体準々決勝 昌平高 0-5 大津高 JヴィレッジP1]

 令和7年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技の準々決勝で、大津高(熊本)が昌平高(埼玉)を5-0で下し、準優勝した2014年以来10大会ぶり(20年は新型コロナウイルスの影響を受けて中止)にベスト4進出を果たした。8月1日の準決勝では、流通経済大柏高(千葉)と対戦する。

 大津の強さが際立った一戦だった。試合の立ち上がりから猛攻を仕掛けた。前半6分にFKからDF今井獅温(3年=V・ファーレン長崎U-15)が空中戦を競り勝ち、MF福島悠士(3年=DESAFIORA.FC)がヘディングシュート。8分、左から押し込むとFW山下虎太郎(3年=FCK MARRY GOLD AMAKUSA U15)がポスト際へシュート。10分には、今井の縦パスを受けたMF岩崎天利(3年=アルバランシア熊本U-15)がシュート。ハーフコートゲームのまま、クーリングブレイクを迎えた。

 昌平は、前半28分にMF山口豪太(3年=FC LAVIDA)が右からカットインシュートを放ち、ようやくチャンスメイク。しかし、直後の29分、大津は右DF村上慶(3年=アビスパ福岡Uー15)の対角ドリブルから左サイドを押し込み、中央へパスを送ると、山下を経由し、右から中央へ寄った岩崎が左足シュートを決めて先制に成功した。さらに30分、大津は山下がPA内右サイドで倒されて得たPKを自ら決め、リードを広げた。

 苦しくなった昌平は、ドリブルで状況を打開。前半36分、右DF笠原慶多(1年=FC LAVIDA)が中央を前進。前方に残したボールを受けたFW齋藤結斗(3年=アメージングアカデミー)がシュートに持ち込んだが、GK村上葵(3年=カティオーラフットボールクラブU-15)に防がれた。2-0で前半を終えると、試合は一時中断(カムチャツカ半島で起きた地震の影響により、福島県にも津波警報が発令されたため)。後半は、翌朝に実施された。

 35分で2点差を追う昌平は、試合再開と同時に3人を交代。布陣も1トップから2トップに変更し、U-18日本代表MF長璃喜(3年=FC LAVIDA)をトップ下に配して逆襲を仕掛けた。しかし、大津は守備の切り替えが早く、主将のMF福島京次(3年=ロアッソ熊本ジュニアユース)が「相手は、多分ガンガン来る。受けに回らず、上回るパワーで自分たちも前から行くことを意識した」と話したように中盤の激しいプレッシングで相手の攻撃をストップ。後半9分にMF有村颯太(3年=FCK MARRY GOLD AMAKUSA U15)、12分に村上慶がシュートを放つなど、相手の勢いに負けずに押し返した。

 そして、14分、左で推進力を見せていた有村からMF山本翼(2年=ソレッソ熊本)につなぎ、ラストパスを山下が左足で合わせて追加点。昌平は、齋藤のミドルシュートなどで反撃を試みるが、試合のペースを奪えなかった。後半33分に与えたPKはGK小野寺太郎(3年=リベロ弘前SC U-15)がセーブしたが、大津の攻撃は止まらない。

 選手交代をしながら攻める大津は、35+2分、岩崎のチャンスメークから途中出場のMF松岡凛(2年=マリーゴールド天草)がシュート。こぼれ球を山下が押し込んで2試合連続となるハットトリックを達成。さらに5分後、左CKをDF松野秀亮(3年=レノファ山口 FC U-15)がヘディングシュート。クロスバーに当たったこぼれ球をDF渡部友翔(2年=ソレッソ熊本)が豪快なミドルシュートで突き刺し、ダメ押しの5点目を奪った。

 4試合で計19得点の攻撃力が際立つが、最も強さを感じるのは中盤の守備。昌平戦も「相手のエースからボールを遠ざける」(山城朋大監督)プレッシングで、相手のキープレーヤーである山口、長の特長が出る場面を最小限に抑えることに成功した。昨季は、プレミアリーグで日本一。山城監督は「昨年、初めて日本一を取って、取り続けることを今年からは目指さないといけない思いがあった。その中で、最初の大会でここまで来れているのは、昨年の財産があって、それを超えたい3年生の思いが形になっているのかなと思う」と選手の意欲の強さを感じ取っていた。準決勝は、冬の全国高校選手権3回戦で先輩たちが敗れた相手。昨年を越えたい気持ちは自然と燃え上がる。インターハイ初優勝へ、もう一つ駒を進められるか注目だ。
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