話題の無慈悲ゲーム『代償少女』Steam向け“完全新作”として発表。「言語知識」から「両親」まで、大切なものを失いながら少女が戦う極限選択ゲーム

講談社ゲームクリエイターズラボは7月31日、デッキ構築型ローグライクADV『代償少女』Steam版を発表し、あわせて同作のSteamストアページを公開した。また企画制作を手がけるえいとえいど氏および紅芋けんぴ氏からなるクリエイターユニットの「代償プロジェクト」をラボメンバーとして採択したことも発表された。

『代償少女』は謎めいた森で目覚めた記憶喪失の少女が不思議な魔導書を手に脱出を試みるデッキ構築型ローグライクADV。このゲームの最大の特徴は少女の行く手を阻む敵との戦闘において合計35枚のカードとして与えられる少女のたいせつなものを選択していくことにある。ランダムに4枚ずつ配られるカードはそれぞれダメージを与えたり、HPを回復したりさまざまな効果をもつが、カードの選択に伴い、対応する少女のたいせつなものが代償として永遠に失われてしまうのだ。

その代償はゲームプレイに直接影響を与えるものが多く、言語知識を失えばすべてのテキストが文字化けし、視覚を失えばカードが判別困難に、痛覚を失えば自分のHPが判別できず、思考力を失うとカード選択の自由すらなくなってしまう。ストーリーも何を代償にしたかにより変化するため、常にプレイヤーはカードの取捨選択を真剣に行わなければならない。また主人公である健気な少女が代償を払うたびに切ないリアクションを行う様子はプレイヤーに否応ない罪悪感を抱かせてくる。

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『代償少女』は2025年春にunity制のフリーゲーム公開サイト「unityroom」で公開されて大好評を博してきた。このたび同作をベースとした完全新作がSteam向けに発表されたかたちとなる。なお公開されたスクリーンショットでは、主人公以外のキャラクターも複数確認可能。フリーゲーム版とは展開も変わっているのだろう。

なお本作は8月3日に東京・浜松町で開催されるゲーム展示会「東京ゲームダンジョン9」にも出展予定。同イベントの「かわいそかわいい島 in 東京ゲームダンジョン9」エリアにて最新の体験版の試遊が行われる予定だ。また会場内のスタンプラリーの景品として本作をモチーフとしたアナログカードゲーム『代償比べ』が配布されるとのこと。

本作を手がけるのは「代償プロジェクト」のメンバーのえいとえいど氏と紅芋けんぴ氏だ。企画・ゲームデザイン・シナリオ・エンジニアを務めるえいとえいど氏は過去に『Hide for Cat – all for the best -』を、共同企画者でありイラスト・アートディレクションを担う紅芋けんぴ氏は『ラジアータの愛染罪』をそれぞれ個人制作。先述したunityroom版は両氏がタッグを組んで制作された作品であり、講談社クリエイターズラボとして打ち出される完全新作にも期待がかかる。なお両氏のコメントは以下のとおりだ:

えいとえいど氏:あの講談社のGCLのラボメンバーに……!?!?社会人経験もない、ゲームの専門学校とかでもない僕みたいな学生でも、どんな人でも可能性を見てくれるGCLは懐が広いなと思います。

これからの一年、ゲーム開発と学業と就活が待ち構えていますが、精一杯頑張りたいと思います!

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