円は152円を割り込む恐れ、参院選後の政治と日銀にリスク-HSBC

Michael G Wilson

  • ボラティリティー抑制で国債買い入れ調整ならオーバーシュートも
  • 財政政策がどの程度拡張的になるか、貿易交渉への影響も見通せない
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

20日投開票の参院選で、連立与党の自民、公明両党の非改選と合わせた議席数が過半数を割り込んだことを受け、1ドル=152円を上回る円安進行の恐れがあるとHSBCの外国為替リサーチ責任者が指摘した。

  外為リサーチ・グローバル責任者のポール・マッケル氏は、日本銀行が債券市場で想定されるボラティリティー抑制のため国債買い入れを調整する必要に迫られれば、円安のオーバーシュート(突出した動き)もあり得るとリポートで指摘した。

  HSBCによると、アジア通貨の支えとして機能する円が下落すれば、韓国ウォンや台湾ドル、シンガポール・ドル(SGD)など他通貨の下げを助長し、ドル高の流れが広がることも予想される。

  最新の建玉明細報告によれば、参院選前に円の買い越し(ネットロング)は一部解消されたが、かなり大きな水準を保っているという。

  石破茂首相が続投するか、退陣を決断するか、財政政策がどの程度拡張的になるか、国内政治が対米貿易交渉の合意を難しくするかどうかも、引き続き見通せない。

  米国サイドでは、消費者物価指数(CPI)が関税に伴うインフレを反映し始めており、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の後任はハト派スタンスとの予測と食い違いが生じる可能性があるとHSBCは分析した。

原題:USD/JPY May Top 152 Due to Political and BOJ Risks, HSBC Says(抜粋)

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