「私、うるさいので」 笹生優花の練ランは早朝に一人でヒッソリと

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 事前情報(28日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇6829yd(パー72)

ディフェンディング大会の開幕前日、笹生優花は午前7時過ぎに予約していた練習ラウンドを、急きょ午前6時45分のトップスタートに変えた。もともと一人で回る予定だった遅い枠には、海外選手3人の名前が加わっていた。「普段はひとりが多いですね、いつもじゃないけど。そのほうが、あんまり気を遣わないで回れるから」。今週に限らず、笹生の練習日は早朝にスタートすることが多い。

「私、うるさいので。オシャベリだから皆さんの迷惑になると思って」。笑いながら話した理由は、茶化しているわけでも何でもない。国籍問わず仲の良い選手が多い笹生は、どこにいても誰かに声をかけ、誰かによく話しかけられる。ボランティアやスタッフとだって、屈託なく会話する。だからこそ、早朝のラウンドは大事なルーティンになっている。

1番から9ホールを回ったこの日は、一人で2時間半弱をかけてコースチェック。笹生の後ろは2組ほど空いているから、神経質にペースを気にする必要もない。ショットの感触が納得いかなければ、同じところから2度、3度と打ち直す。砲台グリーンでパターを打って、グリーンを降りて手前からまたアプローチ…。

「難しいラフになると、ここで(ランが)終わるだろうなっていう予想もできないので。できるだけ色々なポジションから打って、アイデアを増やすしかない」。毎ショット丁寧に情報を集めていった。

9時過ぎにはハーフを終えて戻ってくると、選手ラウンジですれ違ったセリーヌ・ブティエ(フランス)にスタート時間の早さに驚かれた。他の選手と和気あいあいと練習ラウンドを楽しむ時間も大切だが、「皆さんもそうだと思いますけど、いつもどこかをもっと良くしたい、あれをもうちょっと良くしたいっていうのを考えている」。早朝の静かなコースで、一つ一つ考えを整理していく時間が必要だ。

21年、24年に続く「全米女子オープン」3勝目を目指す4日間に向けて、開幕前日は一人でひっそりと最終調整。ただ、あいまにキャディのディランさんやコースの外のボランティアとオシャベリすることも、ちゃんと忘れなかった。(ウィスコンシン州エリン/谷口愛純)

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