ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙(日刊ゲンダイDIGITAL)|dメニューニュース
案の定ではないか。
ドジャースの佐々木朗希(23)が、ロッテ時代も含めてプロ初の中5日で日本時間10日のダイヤモンドバックス戦に先発。結果は4回3分の0を5安打2四球1死球でメジャーワーストの5失点KOだった。8点の援護をもらいながらたった61球で降板、5回を投げ切ることができなかった。
この日は5試合連続となる本塁打を浴びた。1イニング2被弾も、三振を1つも取れなかったのもプロ初だ。
試合後のロバーツ監督の会見で、米メディアから、「ササキは3Aで調整させないのか?」という質問が飛んだのも初めてだ。
ロバーツ監督は「彼は仕事をやり遂げられなかったが、落ち込まず、次の登板に向かってもらいたい」とマイナー降格を否定したものの、試合序盤のストレートの球速は150キロ前後。最速は約157キロだったが、懸案事項となっている平均球速は152.6キロまで落ちた。
ロッテ時代から佐々木のことをカバーしているア・リーグのアジア地区担当スカウトはこう言った。
「日本の中6日でもシーズン中に悲鳴を上げていたのですから、中5日はいくらなんでも荷が重いですよ。疲れも見てとれたし、前回と比べてボールの回転数も落ちていた。要は回復力に問題がある。投げるときに右肘の位置が下がっていた原因は疲労でしょう」
日本のプロ野球と比べてサラサラして滑りやすいメジャー球、硬いマウンド、時差のある長距離移動……日本とは異なる環境に飛び込んで3カ月が経とうとしている。前回登板は湿気の多い東海岸のアトランタだったが、今回は空気の乾燥しているアリゾナだ。ただでさえ滑りやすいボールは、いよいよ手につかなかったに違いない。
大谷翔平(30)しかり、山本由伸(26)しかり、これまで海を渡った日本人投手のほとんどが1年目の前半で故障したのはボールを含めた環境の差異によるところが大きい。
佐々木の肩肘には間違いなく大きな負担がかかっているところにもってきて、プロでは経験のない中5日登板だ。思うような結果が出なかったのも当然という気もしてくるのだ。
ロッテ時代から首脳陣の助言も完全納得まで聞こうとせず
「プライアー投手コーチとの関係も微妙です」と、特派員のひとりがこう言った。
「キャンプや開幕当初はブルペンでちょくちょく、佐々木に助言していましたけど、最近はほとんどしていない。黙って見ているケースが多い。佐々木がプライアーコーチの助言を聞かないことが原因ではないかとの声もある。佐々木の登板日になるとプライアーコーチはピリピリしてる。10日の試合では佐々木がKOされた後、押し出し四球の微妙な判定の際、球審に暴言を吐いて退場処分を食らっています」
佐々木はロッテ時代から頑固で、首脳陣の助言も完全に納得するまで聞こうとしなかった。プロ2年目の石垣島キャンプのブルペンでは山本由伸ソックリのやり投げ投法で周囲を仰天させた。首脳陣が腕の長い佐々木には合わないと元に戻そうとしても、すぐには承知しない。しばらく、やり投げのようなフォームで投げていたが、制球が定まらなくなって、徐々に元の投げ方に戻したくらい。そんな経緯があるだけに、結果が伴わないこともあって、いまの首脳陣との関係がギクシャクしかねないのだ。前出の特派員が言う。
「ドジャースは佐々木が成長途上の選手であることは織り込み済み。最初からシーズン通して先発で回れるとは考えていません。ただ、実際の体力や回復力がどの程度のものか、把握する必要があった。けれども今回、中5日で起用、登板後の疲労度などをチェックすることによって、佐々木の体に関するデータは取得できたはず。3A降格は本人のプライドの問題もあって現実的ではないし、佐々木の代わりに先発で計算できる投手がいるかといえば不透明です。なので、とりあえず15日間の負傷者リスト(IL)に入れて調整させる可能性はあると思う」
肩肘を含めた佐々木の体にはすでに、かなりの負荷がかかっていることは想像に難くない。本人が異常を訴えれば即、訴えなくても大ケガにつながる以前に調整の意味も含めて戦列から離脱しそうな雲行きだ。
◇ ◇ ◇
今回の中5日登板は、佐々木の方から「志願」したというが、そこには「マイナー降格への怯え」が見え隠れしている。いったいどういうことか。佐々木が恐れていることとはーー。
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