もみ合い、「TACO」のタカ派化に目配り必要も=来週の東京株式市場

 7月11日、来週の東京株式市場は、もみ合いが想定されている。写真は2020年10月、東京証券取引所前で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

[東京 11日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、もみ合いが想定されている。日米関税協議や参院選の行方に関する不透明感が継続する中、売り買いともに手掛けにくさが意識されそうだ。足元では、トランプ氏は極端な高関税の脅しを取り下げ続けるいわゆる「TACO」トレードが意識されるが、これが強硬な「タカ派」路線に回帰するリスクに注意が必要との声もある。

日経平均の予想レンジは3万9000円─4万円。

米関税政策も参院選も先行きは不透明で、足元では織り込みが難しい地合いにあると、りそなアセットマネジメントの戸田浩司ファンドマネージャーは指摘する。明確な売り材料があるわけでなく、かといって上値を買う材料もない状態は、来週も継続する可能性がある。

日経平均は4月急落後、TACOを織り込みながら6月に年初来高値を付けた。その後も4万円付近での停滞が続いている。米株は連日高値を更新してもいる。市場では、TACOを過度に織り込んでいるとの警戒感もくすぶっており、りそなAMの戸田氏は「TACOがタカになるリスクには注意したい」と指摘する。

米国が相互関税を打ち出した後も、米国の経済やインフレには目立った悪影響はみられておらず、株価も高水準にある。こうした良好な環境が、トランプ氏が強硬路線のいわゆる「タカ派」姿勢を強めることに自信を与えかねないとの見立てだ。相互関税の発動期限となる8月1日にはまだ間があり、関連発言や報道に振らされる状況は続きそうだ。

参院選の情勢にも関心が寄せられる。与党の苦戦が伝わる中、敗北すれば野党の主張する減税など財政拡張的な政策が現実味を増して国内金利が上昇するようなら株価にネガティブとの警戒感はくすぶっている。

米国では6月消費者物価指数(CPI、15日)、6月小売売上高(17日)の発表があるが、関税の悪影響が本格的に表れるのはこれからとみられており、市場予想から大きく乖離しない限り材料視されにくいとの見方がある。18日に国内で6月消費者物価指数の発表があるが、トランプ関税や国内政治が落ち着くまで日銀による追加利上げの思惑にはつながりにくいとみられている。

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