ニデック不正、根幹の「品質」でも…OB「幹部から『この検査工程は費用の無駄だ』と言われることもあった」(読売新聞オンライン)

 モーター大手のニデックによる不正行為は、会計にとどまらず、事業の根幹に関わる製品の品質にまで及ぶ疑いがあることが判明した。不正の発覚後、東京証券取引所から「特別注意銘柄」に指定され、内部管理体制の改善に取り組んできたが、拠点やグループ企業の整理にも踏み込む方針を明らかにした。(金井智彦、寺田航) 【図表】ニデックの不正を巡る経緯

 品質不正の疑いは、特別注意銘柄への指定を受けて設置した社内組織「ニデック再生委員会」の調査で見つかった。社内では、過去にも複数の品質不正の報告があったが、個別に処理され、全社的な調査が行われることはなかったという。

 品質不正はニデックの本社や複数の子会社を含む多くの拠点で確認されており、13日に設置した外部の専門家による調査委員会で全容解明に向けて詳細を調べる方針だ。

 不正会計を巡る第三者委員会の最終報告書は、不正の原因を創業者の永守重信氏による強すぎるプレッシャーと結論付け、「最も責めを負うべきは永守氏」と断じた。

 今回の品質不正について、会見に同席した南井正之常務執行役員は「会計問題と似たような話も一部ある」と述べた。

 ニデックOBによると、工場の採算性の向上を上層部から指示され、安い部品を代用したり、検査工程を省いたりするのは日常茶飯事だったという。このOBは「幹部から『この検査工程は費用の無駄だ』と言われることもあった」と打ち明ける。

 経営基盤の立て直しに向け、約250の製造拠点とグループ企業約350社の統廃合にも乗り出す。

 ニデックは相次ぐ企業の合併・買収(M&A)によって成長を遂げたが、管理が行き届いていなかったことが不正会計の一因になった可能性があり、それぞれ160~180程度に減らす。2030年度までの5年間に計約1000億円をシステムに投じ、管理機能も向上させる方針だ。


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 一方、ニデックは調査委の調査完了のメドを約3か月後の8月末とした。特別注意銘柄に指定された企業は、原則1年後までに改善の結果を東証に示せない場合、最終的に上場廃止となる恐れがあり、期限が10月末に迫っているためだ。

 だが、過去の品質不正事案では調査が長期化するケースも目立つ。三菱電機や川崎重工業の検査データの不正を巡る調査は、完了までに1年以上を要した。

 ニデックの調査委が限られた期間で、全容解明を果たせるかが焦点となる。

 ニデックは13日、新たな取締役候補者を発表した。不正会計問題を受けたガバナンス(企業統治)改革の一環で、全13人のうち10人を独立社外取締役とした。

 これまでニデックの社外取締役は、官僚出身者や学者、弁護士が多く、経営や会計の専門家がいなかったことが不正会計を防げなかった一因とも指摘された。新たな社外取締役には、J・フロントリテイリング元社長の山本良一氏ら経営の経験者を多くそろえた。

 現在の取締役9人のうち7人は退任し、岸田光哉社長ら2人は留任する。

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