フルーツは農薬が多い? 科学者が発見したこと

※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。   毎年、環境と公衆衛生に関する研究と提言を行う非営利団体「環境ワーキンググループ(EWG)」は、米国農務省のデータを使って、農薬残留量がもっとも高いまたは低い一般的な(非有機栽培の)作物を識別し、これらの果物と野菜を「ダーティ・ダズン」と「クリーン・フィフティーン」と呼ばれるリストに分類している。   先日2025年のリストが発表され、今年は「クリーン・フィフティーン」に2つの新顔が加った。うれしいことに、そのうちの一つは世界でもっとも消費されている果物だそう。

分析対象となった作物(47種類の野菜と果物のサンプル53,000以上)のなかで、「クリーン・フィフティーン」は農薬残留量がもっとも少ない果物と野菜を示している。「クリーン・フィフティーンに入ったすべての作物のサンプルのうち、農薬が検出されたのは40%だけでした」と、説明するのは「EWG」の准研究員であるヴァルン・スブラマニアンさん。彼は、「クリーン・フィフティーン」の各作物において少なくとも一つのサンプルで農薬の陽性反応が見られたものの、「クリーン・フィフティーン」では平均して1種類未満の農薬が検出されたのに対し、「ダーティ・ダズン」の作物では5種類以上が検出されました、と説明している。   「EWG」のプレスリリースによると、今年の「ショップパーズ・ガイド」を決定した新たな方法論では、農薬の濃度や頻度だけでなく毒性も考慮したという。

「クリーン・フィフティーンの果物と野菜に含まれる農薬は、ダーティ・ダズンよりも圧倒的に低い量、濃度、毒性でした」とスブラマニアンさんは話す。 栄えある1位はパイナップルであり、このリストでもっとも「きれい」な食品だ。また今年の新入りは、10位のカリフラワーと11位のバナナであった。『ザ・ガーディアン』誌によると、バナナは世界でもっとも消費される果物だそう。   「2025年の『ショップパーズ・ガイド』に掲載された47種類の作物のなかで、バナナは農薬の毒性がもっとも低い食品の一つでした」とスブラマニアンさんは語る。バナナは皮を剥いた状態で農薬の分析が行われたという。   バナナに含まれる農薬について、これは何を意味するの? 検出された農薬の具体的な種類は分からないけれど、47種類の作物のなかで「クリーン・フィフティーン」に入ったということは、そのほかの多くの果物に比べて農薬の量や毒性が低い可能性が高いことを示している。「バナナは乳児や幼児の食事のメイン食材なので、親にとってうれしいニュースでしょう」と「EWG」は述べている。 「クリーン・フィフティーン」のそのほかの作物とは? 全リストは次の通り。 1位:パイナップル 2位:とうもろこし(生鮮と冷凍) 3位:アボカド 4位:パパイヤ 5位:玉ねぎ 6位:グリーンピース(冷凍) 7位:アスパラガス 8位:キャベツ 9位:スイカ 10位:カリフラワー 11位:バナナ 12位:マンゴー 13位:にんじん 14位:きのこ 15位:キウイ

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