公明党 福生市議会議員 青木たけし

8月28日(木)

本日は流行時期の変化から夏場も注意が必要になってきたRSウイルスについての記事をシェアします。

夏に流行も、重症化に注意「RSウイルス」/ワクチン、予防に「有効」

公明新聞2025年8月27日付

飛沫や接触で広がる「RSウイルス」は、赤ちゃんが罹患すると、肺炎など重症化しやすいことが小児科医の間ではよく知られているが、高齢者に感染した場合もリスクが大きい。最近は、夏に流行する年もあり、空気が乾燥してウイルスが広がりやすくなる秋冬にかけて注意が必要だ。予防ワクチンが国内で販売され、公明党は定期接種化を訴えている。 

■(2歳未満児)年間3万人が入院

RSウイルスは2歳までにほぼ100%の人が一度は感染し、その後も感染を繰り返すとされる。多くの人は発熱や鼻汁、せきなどの風邪症状で収まるが、生後6カ月未満の乳幼児が初感染した場合などは、肺炎や細気管支炎といった重症化を招き、入院するケースが珍しくない。

ファイザー株式会社によると、日本では、RSウイルスにより推計で年間約3万人の2歳未満児が入院しているほか、この感染症で入院した経験がある小児は、健常児と比べぜんそくの発症リスクが21・8倍(3歳時点)も上昇することを示す海外の研究もあるという。

小児科医療機関からの報告をまとめた国立健康危機管理研究機構の集計によれば、RSウイルスは、コロナ禍前は秋冬に流行のピークを迎えていたが、近年は夏がピークとなる年もあり、変化している。

■(高齢者の肺炎リスク)インフルエンザ並み

一方、このウイルスは、検査の技術的な課題から大人の流行状況は十分に把握されていないが、免疫力の下がった高齢者の肺炎の一因として知られるようになってきた。

日本感染症学会で診療の手引き作成に携わった長崎大学の柳原克紀教授の調査によると、肺炎になった高齢者の約1割がRSウイルスがきっかけ。これはインフルエンザ並みの割合だという。

柳原教授は「RSウイルスの病原性は、新型コロナやインフルのウイルスに次ぐ。高齢者施設での集団感染も多い。特に喫煙者や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの持病がある高齢者が感染すると死亡率が高く、注意が必要だ」と指摘する。

■2種類が国内販売

これまでRSウイルス感染症を予防するワクチンはなかったが、近年、開発・承認が進み、昨年から2種類のワクチンが国内で販売されている。

一つが「アレックスビー」だ。60歳以上の高齢者や基礎疾患などのある50歳以上が接種対象となる。一方、「アブリスボ」は、妊娠24~36週の妊婦へ接種することで、母胎でできた抗体が赤ちゃんに移行し、出産後の新生児・乳児への予防効果が期待できる「母子免疫」では初のワクチンだ。さらに60歳以上の高齢者も接種できる。

こどもとおとなのクリニック「パウルーム」(東京都港区)の黒木春郎院長は「小児科医にとってRSウイルスは“怖い病気”の一つ。高齢者を含む家族間で感染し、肺炎になる人もいる。赤ちゃんと高齢者の命を守る上で、ワクチンの接種が有効になる」と訴える。

現在は全額自己負担/独自で補助する自治体も

予防に有効なRSウイルスワクチンだが、まだ「任意接種」の扱いで、接種費用は全額自己負担が原則だ。医療機関で異なるが、2万5000円~3万円台とされ、負担の重さから、ためらう人は多いとみられる。

負担を軽減するため、独自の補助制度を設けた自治体もある。愛知県大府市は、市議会公明党も議会質問で推進した結果、今月から補助を開始した。妊娠24~36週の妊婦と、COPDを含む慢性疾患などがある60歳以上が対象。市内の医療機関または市外のかかりつけ医療機関で、アレックスビーあるいはアブリスボを接種した場合、1万円が助成される。

市健康増進課によると、これまで妊婦から24件、60歳以上の市民から6件の申請があったという。担当者は「接種を希望する人の負担を軽減し、感染症予防としての選択肢を広げるために制度を創設した」と語る。

公明、定期接種化めざす

予防医療」を重視する公明党は、RSウイルスによる肺炎予防を巡って、医療制度委員会(委員長=秋野公造参院議員)などが有識者を招いて意見交換を実施。国会質問や政府への提言を通し、ワクチンを、公費助成の対象となる定期接種に位置付けるよう政府に繰り返し要望している。

秋野委員長は「公明党が提案し実現した『呼吸器感染症予防週間(9月24日~30日)』の機会も活用し、国民にワクチンについて知っていただくとともに、国においては定期接種化の議論促進を、地方においては助成制度を広げる働き掛けを続けていきたい」と決意を語っている。

来週から始まる9月議会でも公明党会派からRSウイルスワクチンの接種費用助成について質問します。実現に向けた議論を着実に前に進めていきます。

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