〝休憩時間ゼロ〟で働き続けた店長が勝訴!会社に3400万円の支払い命令が下った理由(@DIME)

こんにちは。弁護士の林 孝匡です。宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。 「ぜんぜん休憩がとれない……」 「休憩時間も働いている」 「この時間の給料は出ない……」 そう嘆いている方はいませんか? 店長 vs 社長のバトル勃発、お好み焼き屋で【店長が全然休憩できなかった事件】を解説します。 この店では、ランチタイムが終わった後、ディナータイムまで3時間閉店していたんですがが、その間も店長はバタバタと働いていたんです。 店長がブチギレてお店を訴えました。 ―― 裁判所さん、いかがですか? 裁判所 「会社は店長にに対して●万円を払え」 「さらにお仕置き(付加金)として約●万円払え」とダメ押し。 キョーガクの金額です! ※ 実際の判決を基に構成 ※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換 ※ 争いを一部抜粋して簡略化

■ 当事者 会社は広島風お好み焼き店の経営などを行っており、店長のXさんは正社員として勤務していました。 ■ 当初は関係が良好だった 社長(以下「Y社長」)がXさんの高校時代の先輩であったこともあり、入社当初は両者の関係は良好でした。 入社前、Y社長から「一緒にお好み焼き屋をやらないか?」と誘われたXさんが「現在、月給30万円です」と伝えたところ、Y社長が「月給35万円支払う」と述べたため、Xさんは転職を決意しました。 働き始めて約3年後には月給45万円となり、50万円になった時期もありました。 ■ 関係が悪化? ● 長時間労働 飲食店の店長ではよくある話ですが、月給の高さと比例するように労働時間はかなり長いものでした。たとえば、新店オープンの際には9時から22時まで働くことが多く、お店の中国進出に伴う出張時には、9時から23時ころまで働くこともありました。 ● 休憩時間も働いていた 今回問題となったのはこの点です。裁判でXさんは「社長の怒りを買わないように、本当は休憩を取っていなくても、報告書には休憩時間を記載していた」と主張しています。 Xさんはこの働き方に限界を感じたのでしょう。約5年間働いたのちに退職し、高校の先輩でもあったY社長との裁判に突入することになりました。 ■ 休憩できなかった 冒頭で述べたとおり、その店ではランチタイムとディナータイムの間に3時間(14~17時)の閉店時間がありました。しかし、店を閉じている間もXさんは慌ただしく働いていました。このときXさんが行っていた仕事は主に以下のとおりです。 ・ディナーの仕込み ・配送される食材の受け取り ・不足食材の買い出し ・予約の受け付け ・電話対応 ・シフト表の作成 ・業者との打ち合わせ 上記に加えて、月1回、全正社員が集められるミーティングが行われることもありました。 涙ぐましいことに、店長が昼食をとるのは店のバックヤードでした。しかも電話の横に張り付き、着信があれば対応しなければならない状況に置かれていたため、まったく心が休まりませんでした。 裁判の結果、約2000万円もの請求に加え、約1400万円の付加金も認められました。なぜこんなに高額となったのか、後編で解説していきます。 取材・文/林 孝匡(弁護士) 【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。 webメディアで皆様に知恵をお届け中。「こんなこと解説してくれや!」があれば、下記URLからポストお願いします。 https://hayashi-jurist.jp(←プロフィールもコチラ) https://twitter.com/hayashitakamas1

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