NV200バネットが生産終了だと!? ならば日産のライトバン市場は誰が守るのよ!!!
/ コラム
日産の再建計画の中で発表された工場閉鎖報道。その影響を受けて、日産車体が手がけるNV200バネットが生産を終えるという情報が流れている。ちょっと待って! NV200バネットがなくなったら、日産のライトバン市場はどうするのよ!?
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車、ルノー
【画像ギャラリー】マイルームは車中泊にもぴったり! NV200バネットのすごい中身を見て!(23枚)初代バネットから数えて5代目のモデルとなるNV200バネット
再建計画「Re:Nissan」の発表を受けて閉鎖の報道がなされている国内拠点は、日産の追浜工場と日産車体の湘南工場。今回取り上げる後者は、1951年以来日産車の生産を手がけ、一時はパトロールやフェアレディZもロールアウトした日産車体発祥の地だ。
その湘南工場は今、ADとNV200バネットを生産しているのだが、ADについては2025年11月に生産を終えることが決定済み。しかしここが閉鎖されるとしたら、NV200バネットまでもがモデルライフを終えることになり、なんとも寂しい展開となる。
ネーミングからも分かる通り、NV200バネットの元祖は1978年に誕生したバネット。このクルマはサニー/チェリーのキャブオーバーバンを受け継いだライトバンで、デビュー以来5つの世代が50年近くに渡り、日産のライトバン市場を守ってきた。1990年代には乗用モデルがセレナ/ラルゴとして独立し、セレナが大ヒットモデルとなったことはいうまでもない。
現行モデルのNV200バネットが誕生したのは2009年。日産車としてはもちろん、三菱に「デリカD:3」、米GMに「シボレー・シティエクスプレス」という名前でOEM供給もされ、世界各地で活躍してきた。
ルノー カングーは商用車としても安定した人気を誇る
商用車の一分野を担ってきたモデルがまるごと消えるとしたらその影響ははかりしれない。NV200バネットについても同様で、なんらかの後継車が必要になると思うのだが、いったい日産はどうするつもりなのだろう。
ここからは編集部の予想となるが、新規開発をせずともその代替となりそうなクルマが1台だけある。日産のアライアンス先であるルノーのカングーだ。
カングーは日本ではレジャービークルとして人気があるが、欧州ではライトバンの代表選手として安定した人気を誇る。実はその人気を借りる形で、日産はカングーの先代(2代目)モデルを、NV200の後継車(車名:NV250)として市販していたのだ。
2021年にデビューした3代目カングーも、日産から「タウンスター」という名称で販売されている。だとしたらこのタウンスターが、グローバルにNV200の後継の座を担う可能性は否定できない。
工場閉鎖は日産のみならず、働く人の家族や地域経済にも重大な影響を及ぼす。この話題はまだまだ流動的で余談を許さないが、キャラバンの顧客を繋ぎ留める上でもバネットNV200の存在は重要だろう。