向井康二「日本語しゃべれなくなってる!」? タイ語とバイリンガルでの笑いを連発
向井康二がさっと立ち上がって、タイ語での自己紹介を終えたタイの俳優・ファーストの頬に顔を寄せ、そっと耳打ちをした。ファーストが頷きながら、「トイ……」と自身が演じる役名を口にした、と思いきや、日本語で「トイレ……トイレ、は、どこですか?」
【別カット】向井康二のこのポーズは?仲の良さが伝わるステージの一コマ
沸き起こる爆笑に困惑するファーストに、向井がタイ語で「トイレはどこですか?って意味だよ」とネタばらし。やられた!という顔のファーストを包むように、さらなるあたたかな笑いが起きた。
* * *
向井康二が森崎ウィンとW主演を務める映画「(LOVE SONG)」(日本公開10月31日)が、タイで11月13日から公開されるのに先駆け、10月22日、キャストらの舞台挨拶を含むバンコクプレミアが開催された。
登壇したのは、化学メーカーに務める研究員ソウタを演じる森崎と、バンコクでカメラマンをしながら音楽活動を続けるカイを演じた向井のほか、バンコクでコスメ会社を経営する実業家サン役のミーン=ピーラウィット・アッタチットサターポーン、その妹でインターンのスマイル役ミュージック=プレーワー・スタムポン、カイのバンド仲間トイ役ファースト=チャローンラット・ノープサムローン、アテンド兼通訳のルーク役の逢見亮太、そして「2gether」の世界的ヒットで知られるチャンプ=ウィーラチット・トンジラー監督の7人。
自己紹介を求められ、森崎が「こんにちは、僕はウィンです」とタイ語で挨拶を始めると、向井から「おー! タイ語しゃべるの?」「タイ人なの?」のタイ語が飛ぶ。
「えーと、ディーチャイ(とてもうれしい)……、ディーチャイ……」と、あとが思い出せないのか何度も同じ言葉を繰り返す森崎に、「何がすごくうれしいの?」と向井がタイ語で間をフォローしつつツッコむと、会場にあたたかい笑いが満ちる。
スマホを見ながらも無事にきれいな発音でのタイ語で挨拶を終えた森崎。続いて司会者に振られた向井は、「どうも」と立ち上がり、タイ語で「こんにちは、僕は向井康二です。Snow Manです。ありがとうございます!」と右手を挙げて客席を煽ったあと、森崎を真似てか、突然、「コップン(ありがとう)……、あー、コップン……」と“タイ語を覚えてきたのに思い出せない”という困り顔。逢見から「出る出る出る!(笑)」、森崎から「わかるでしょ、あなたは」のツッコミをもらってうれしそうに笑いながら、流暢なタイ語で「ファンのみなさん、今日はお越しいただきありがとうございます」と再び手を高く挙げて挨拶した。
Page 2
日本語で、と促されると、向井は困ったような顔をしながら「え、日本語をしゃべる……?」とタイ語で呟いて会場を笑わせてから、日本語に切り替える。
「日本のみなさん、こんばんは。Snow Manの向井康二です。『(LOVE SONG)』の公開が近づいてますけども、僕はカイ役を演じました。たくさんの人に、この映画が届い……、届けたらうれしいなと……」と途中で詰まり、「おい! 日本語しゃべれなくなってる!」とタイ語で自分にツッコんで会場の笑いを誘った。
次にミーンがタイ語で名乗ったあと、「はじめまして、ミーンです」と日本語で頭を下げ、ちらっと向井を見る。応じて立ち上がった向井が耳打ちで何かをささやくと、「日本のみなさん」「愛してるよ」と日本語を口にして、歓声を上げさせた。「どういう意味?」と尋ねるミーンに、タイ語で「みんな愛してるよって意味」と教える向井。ミーンは再度、笑顔で「愛してるよ」と日本語を繰り返して盛り上げた。
続いたのがファースト。「こんにちは、ファーストです。僕はトイ役を演じました」とタイ語で挨拶したファーストに、向井が「日本語で言う?」とタイ語で話しかけ、耳元に口を寄せる。それを受けて繰り広げられたのが、冒頭の場面だった。
その後、日タイ共同制作で感じたことをキャストらが聞かれるなか、「ファーストくんがね、本当にいっこ、言いたいんですけど」と言い出した向井。「台本通りにやらない」「あ?さっきと違う!みたいな」。タイ語で演技のため、「毎回違うからね、あれ?俺、どのセリフやろ?って迷いながらやりました」と明かした。「勘弁してくださいよ!」と笑いながら、「でも、それがタイのスタイルだから、僕はそれに刺激を受けました」と、タイの俳優たちとの共演を振り返った。
「トイレ」の耳打ちは、そんななかで培われたファーストとの気のおけない関係あってこそ。会場を包むあたたかい空気のなか。トークセッションは幕を閉じた。
Page 3
舞台挨拶終了後。スクリーンの入口付近に置かれた「(LOVE SONG)」パネルの前に、キャストたちが次々と姿を見せた。俳優との距離が近いタイではよく見かける光景だが、日本キャストの森崎・向井の予定外の登場に、ロビーには悲鳴が上がった。
オフィシャル撮影ののち、短いインタビューでバンコクプレミアの感想を求められた向井は、「ぼく「『(LOVE SONG)』メンバーに会えて楽しかったし、タイで見てもらえるってことがうれしいよね」と改めてコメント。「うれしい」と相槌を打つ森崎と頷き合って、「やっと公開ってことでね。みなさん、観てください」と結び、チャンプ監督も、「みなさんにこの『(LOVE SONG)』の歌を聴いてほしいです」と言葉を添えた。
向井が歌う映画と同名の楽曲を含むオリジナル・サウンドトラックも、日本での映画公開日の10月31日から、各音楽配信サービスで配信されるというから楽しみだ。
タイの挨拶「ワイ」をしながら現れた向井康二に続く、タイでの活動が7年となるNipponBoyzの逢見亮太。向井に子どもたちから「KOJI!」の声が飛ぶと、マッサマンポーズでサービスする一場面もなお、発売中の「AERA」10月27日号には向井のロングインタビューを、同号と11月4日発売の11月10日号の向井のカメラ連載では、ともにカメラを趣味とする森崎と向井がお互いを撮り合うフォトセッションの様子を掲載。さらに、11月17日発売の11月24日号の連載ページでは、二人がバンコクで撮りあったショットの掲載を予定している。
(AERA編集部・伏見美雪)
こちらの記事もおすすめ Snow Man向井康二「何かを決断するためには、身を削るもの」 日タイ共同制作映画で取った「リスク」