中国が台湾海峡で新たな民間機飛行ルート、現状変更の試みと台湾反発
[香港 6日 ロイター] - 中国の民間航空規制当局、民用航空局は6日、台湾海峡の中間線付近の民間機の飛行ルート「M503」に新たに3本目の支線を開設したと発表した。台湾は、現状変更を試みる「一方的な」措置と非難した。
台湾では9日から10日間にわたり定例軍事演習「漢光演習」が行われる。
中国民用航空局は、支線開設は「空域環境の一段の最適化、運航効率向上」が目的と説明した。
中国は2024年1月、M503の南方向の運航ルートについて、本来のルートからずらす措置を取り消して中間線に近づく形に変更した。またM503の支線として「W122」、「W123」を開設した。今回開設した「W121」を含め、3本とも西から東、中国本土から台湾の方向に延びている。
中国の台湾政策を所管する国務院台湾事務弁公室は「今回の措置は、飛行の安全確保、飛行遅延の低減、乗客の権利と利益の保護」を目的としているとし、両岸(中国と台湾)にとって「有益」だと指摘した。
中間線は中台の事実上の境界線となっているが、中国は認めておらず、中国軍機が中間線を越えて台湾側に入る事例が頻発している。
台湾の中国政策決定機関、大陸委員会は、ロイターに寄せた声明で、中国が「現状を変えるために一方的な行動をとり、両岸と地域の不安を増大させた」と批判。中国側の説明は「不当」とし、「中国本土の国際航空旅客数はコロナ禍前のレベルに回復していない」と指摘した。
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