「大事な試合」河本結が狙う“全英&エビアン切符”のダブル獲り
◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン 事前(11日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6558yd(パー72)
2週前の海外メジャー「全米女子オープン」からの帰国後、河本結は大変だった。風邪を引き、ストレス性胃炎を発症した。ストレスを発散しようと暴食気味になって胃腸炎までついてきた。「8日間ずっと体調不良。熱もあって」。9日の月曜に、やっとクラブを握れるようになった。しかし、その8日間が逆に「よかった」という。
今季は国内ツアー出場10戦全部で予選通過し、4月「富士フイルム・スタジオアリス」の2位などトップ3が3回あってメルセデスランキング8位。ただ、優勝がない。「今の私に何が足りないのか」をベッドで考えた。答えはイマジネーション不足。「私は本来、ショットもパットも完全にイメージを作っていくタイプなのに、プレー中はずっとスイング軌道ばかり意識していた」
イメージ作りにJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)がまとめた“ベストショット集”のような映像もむさぼるように見た。それでも最も刺激になった一つは、先週の国内男子ツアー「日本ツアー選手権」。優勝した蝉川泰果、プレーオフで敗れた堀川未来夢らの大熱戦を生中継で観戦。「めっちゃくちゃいい試合。あれで男子の人気が出なきゃおかしいです」という興奮は今も冷めていない。
今週は特に「大事な試合」という思いが強い。今大会で「上位2人(有資格者除く)」になるか、今大会終了時点で「メルセデスランキング上位3人(有資格者を除く)」となれば、メジャー最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」(7月31日開幕/ウェールズ・ロイヤルポースコール)の出場権をゲット。
またそうなれば、現在63位の世界ランキングも上昇必至で、全英前のメジャー「アムンディ エビアン選手権」(7月10日開幕/フランス・エビアンリゾートGC)出場資格の“6月24日時点の世界ランク50位以内”が、締め切り直前の来週「ニチレイレディス」を前に現実味を帯びてくる。
「今日のプロアマ戦で久々にプレーできて、周りから“調子いいね”と言ってもらえました」。今季初優勝で“全英&エビアン切符”の両獲りへ。河本の最高のイメージは出来上がっている。(神戸市北区/加藤裕一)
<国内女子ツアーの全英出場権有資格者> 渋野日向子(歴代優勝者) 岩井明愛、西郷真央、申ジエ(前年大会10位以内など) 古江彩佳、笹生優花、畑岡奈紗(昨季米ツアーポイントランク35位以内など) 竹田麗央(昨季米女子ツアー優勝者など) 岩井千怜(今季米女子ツアー優勝者)