大富豪ウォーレン・バフェットが「最高の投資」と断言したもの。それは株でも不動産でもなかった
人々は60年もの間、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの年次株主向け書簡を読み、彼の投資哲学に関する洞察を得てきました。
毎年、何千人もの人々がバークシャー・ハサウェイの年次総会に集い、バフェットと、彼のビジネスパートナーであった故チャーリー・マンガーから知見を得てきのです。
また、バフェットは長年にわたり、数えきれないほどのインタビューにも応じてきました。
こうした彼のあらゆる助言をたった4つの項目に絞り込むのは容易なことではありませんが、筆者なりに試みたいと思います。
ここでは、リーダーシップ、焦点、最高の投資、そして「成功の本当の意味」についてバフェットの考えを紹介します。
ウォーレン・バフェット流「真のリーダーシップ」
人をマネジメントするうえで、バフェットはどのようなモデルを用いているのでしょうか?
それは、野球のバットボーイ(試合中に選手が使用するバットの管理やボールの受け渡しなどを行なう係)です。
バフェットは2002年の株主向け書簡で次のように述べています。
私のマネジメントモデルは、バットボーイだったエディ・ベネットです。
19歳だったエディが、「シカゴ・ホワイトソックス」で働きはじめた1919年、チームはワールドシリーズに進出しました。エディは翌年、「ブルックリン・ドジャース」に移籍しましたが、この時もチームはリーグ優勝を果たしました。
ですが、我らがヒーローは不穏な気配を察知します。彼は1921年、地区を変え、「ニューヨーク・ヤンキース」に加わりました。すると、同チームは即座に球団史上初のリーグ優勝を飾りました。エディは、これから起こることを賢く見抜き、そこに落ち着いたのです。
続く7年間で、ヤンキースは5度のアメリカンリーグ制覇を成し遂げました。
では、これがマネジメントと何の関係があるのでしょう?
答えはシンプルです。勝者になりたければ、勝者とともに働くことです。
たとえば、エディは1927年、ルースやゲーリッグを擁した伝説のヤンキースがワールドシリーズを全勝で終えた時、チームメンバーの投票により、ポストシーズン分配金の1/8にあたる700ドルを受け取りました。エディがわずか4日間の仕事で手にしたこの金額は、当時のバットボーイの年収にほぼ匹敵するものだったのです。
エディは、自分がどのようにバットを運ぶかは重要ではなく、フィールドに立つ一流選手たちと組むことこそが肝心なのだと理解していたのです。
エディからこの学びを得て、私はバークシャーで定期的にアメリカのビジネス界でもっとも強力な「バッターたち」にバットを手渡しています。
バフェットは、単にチャンスを見つけるために企業を研究しているのではありません。チャンスを掴み、さらにそれを発展させる能力を持つリーダーがいる企業を見極める努力をしているのです。
人材育成において重要なのは「見抜く力」
彼が優れた経営者であることは誰の目にも明らかですが、それ以上に重要なのは、「見抜く人」として優れていることです。
ただし、チームの有効性に対する影響力の比率は「チームが9割、リーダーが1割」といったところでしょう。
凡庸なリーダーが率いる優れたチームは、優れたリーダーが率いる凡庸なチームより、たいてい上回ります。優秀な営業チームを編成すれば、基本的には放っておいても大丈夫ですし、素晴らしいエンジニアのチームを編成する時でも、基本的には放置しても大丈夫なのです。
どれほど変革的で鼓舞的で卓越したリーダーであっても、最高のリーダーが生み出せるのは、わずかな改善の積み重ねに過ぎません。
バフェットはこう記しています。
バークシャーの事業部門CEOたちは、それぞれの分野の達人であり、自分の会社であるかのように事業を運営しています。
私の仕事は、彼らの邪魔をせず、彼らの事業が生み出す余剰資本を配分することです。簡単な仕事です。
だからといって、「今率いている人材の育成に十分な時間を割くべきでない」という意味ではありません。それは間違いなく大切なことです。
ですが同時に、「そもそも導く必要のない人材」を見極めることにも時間を使うべきです。
優れた人材をチームに加えれば、マネジメントにかける時間を減らし、さらに優れた人材を発掘するための時間を増やせます。
そうなれば、優れた人材を惹きつけるのもさらに容易になります。スーパースターは、スーパースターと働くことを好むからです。
バフェットの言葉を借りれば、そうすることで仕事が「簡単」になることはないにせよ、今より「ずっと楽」になるのは間違いありません。