韓国大統領選挙、前首相・韓悳洙氏が出馬表明 保守系候補を一本化へ
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【ソウル=小林恵理香】韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)前首相が2日、6月3日投開票の大統領選への立候補を正式表明した。無所属で出馬し、与党「国民の力」などが選ぶ保守系候補と一本化を模索する見込みだ。
韓氏は同日、国会内で記者会見し「左右に分かれる代わりに前へ、ひたすら前へ進みたい。良い政策があれば何の固定観念もなく受け入れ、効率的に実行する」と強調した。
①政治改革のための改憲②米国との関税交渉の成功③意見が分裂している国民の「統合」ーーの3つを公約に掲げた。
「非常戒厳」宣言を巡り大統領の権限や制度を改革すべきとの機運が高まっている。大統領就任後2年で改憲、3年目に大統領選を実施した後に自らは退く意向を示した。
韓氏は1971年にソウル大を卒業後、米ハーバード大大学院で経済学博士を取得した。官僚として産業や経済分野を担当してきた。革新(進歩)系の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権では財政経済相や首相を務め、米韓自由貿易協定(FTA)の交渉にも関わった。
自らについて「この仕事を一番長くやってきた人で一番上手な人だ」と語った。4月には米相互関税を巡りトランプ米大統領と電話協議をしており、「今回の通商懸案も必ず解決してみせる」と自信を示した。
保守、革新両政権で要職を歴任してきたことから党派色は薄いとされ、危機下での国政運営の経験もある。保守陣営からは有権者の約3割を占める中道層への支持拡大を期待する向きもある。
韓氏は尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免後に大統領権限を代行していたが、出馬に向け1日に首相を辞任した。同日夜、大統領権限代行の後任予定だった崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政相が辞任する事態となった。
最大野党「共に民主党」が国会本会議に崔氏の弾劾訴追案を上程したことが要因で、韓氏は「国益の最前線である通商外交まで政争の素材とする現実に到底納得できない」と述べた。
国民の力は公認候補を選ぶ予備選で、金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相と韓東勲(ハン・ドンフン)前代表が争っている。同党は3日に決選投票を実施し、候補を選出する予定だ。その後、韓悳洙氏を含めた保守系候補の一本化が進めば、大統領選の構図が大きく変わる可能性がある。
10〜11日に大統領選の候補者登録、12日からは遊説などの選挙運動がはじまり、3週間ほどの選挙戦に突入する。
韓国最高裁は1日、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)前代表が公職選挙法違反に問われた上告審で、2審の無罪判決を破棄し、ソウル高等裁判所に差し戻した。
李氏はこれまで大統領候補として世論調査でトップを独走してきた。ソウル高裁での審理の結果によっては被選挙権の制限に関わる可能性もあり、李氏は選挙戦中も司法リスクを抱えることになる。
韓国ギャラップの4月第4週の世論調査では共に民主党の政党支持率は42%、国民の力は34%で、共に民主党がリードする。今後は各党の支持層だけでなく、中道層まで支持を広げられるかが大統領選の結果を大きく左右する。
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