チーム運営に大きな影響を及ぼすエウベルの移籍。 左サイドの縦関係を再構築せよ [J26節 清水戦プレビュー]
エウベルが抜けた穴をどのように埋めて、補うか
現行カレンダーの場合、サッカーの世界において夏と冬は別れの季節になる。
今週に入ってエウベルが鹿島アントラーズへ、サンディ・ウォルシュがタイのブリーラム・ユナイテッドFCへ、それぞれ完全移籍して、マリノスから去った。
現役時代に数多くの移籍を自身で経験した大島秀夫監督は「最終的には選手が判断するというか自分のサッカー人生を選ぶ場面だと思う。そこに関しての本心や真意はわからない」と選手の心理を前置きした上で「チームとしては痛い状況だけど、そのぶん代わりに出てくる選手がチームをグッと前へ進めないといけない状況」と力強く語った。
とりわけエウベルの移籍はチーム運営に大きな影響を及ぼす。大島監督が指揮を執るようになってからは6試合連続で先発に名を連ね、攻撃でスペシャリティを発揮する選手として重用されてきた。守備面の綻びに目をつむってでも起用していたのだから、ある意味で特別な存在と言っていい。
オフェンス面にもたらす特別感については「みんなで補っていくしかない」(大島監督)。エウベルのように苦しい局面を打開してくれる選手は、そうそういない。宮市亮や井上健太、あるいは今夏に加入したユーリ・アラウージョが左ウイングの主な先発候補だが、エウベルとは特徴が違う。松村晃助を起用すれば、さらに異なるプレーになるだろう。
左サイドバックとの連係も再構築を迫られている。ただ、今節の清水エスパルス戦に関しては鈴木冬一が累積による出場停止で不在。加藤蓮が代役候補の筆頭で、左サイドの縦関係は清水戦とその後の試合でも大きなポイントになるだろう。仮に角田涼太朗を左サイドバックで起用したとしても、同様のことが当てはまる。
お世辞にも流れが良いとは言えないチーム状況で主力選手が離脱する難しさに直面しているマリノス。ここはチームの総力で乗り切るしかない。
背番号22に期待したいこと
ヴェルディでは出番のなかった角田の起用法に注目が集まる。
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