高市早苗総裁誕生は北陸新幹線「小浜・京都ルート」の追い風? 気になる連携候補の国民民主、維新の考え方は

 自民党の高市早苗新総裁が就任し、与党がルート再検証の方針を示したまま「政治空白」により停滞している北陸新幹線敦賀以西の議論の進展が期待される。福井県内関係者からは積極財政派の高市政権が誕生すれば小浜・京都ルート整備への「追い風」になるとの見方が多い。少数与党下で予算を伴う着工の実現には野党の協力や連立枠組みの拡大は欠かせず、敦賀以西のルートで具体的な方針を示していない国民民主党との連携なら議論を進めやすいとの声も上がる。

 ■Xで早期開業強調

 敦賀以西を巡り、建設促進を議論する与党整備委員会の西田昌司委員長(参院京都選挙区)が7月の参院選の結果を踏まえ、小浜・京都ルートに加え、滋賀県を通る「米原ルート」、京都府舞鶴市を経由する「小浜・舞鶴ルート」の計3案の費用対効果などを再検証する考えを示した。その後、石破茂首相の退陣表明、自民総裁選が続き、再検証は始まってすらいない。

 高市氏は総裁選中の今月3日、自身のX(旧ツイッター)で北陸新幹線敦賀開業などに触れ「敦賀・新大阪間についても、1日も早い全線開業を実現すべきだと考えています」と投稿。与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)で着実にスピード感を持って取り組むと強調した。

 小浜・京都ルートが前提の発言とみられ、県会整備促進議員連盟会長を務める西本正俊・自民党県連幹事長は「高市氏は積極財政派で知られ、(整備を)必ずやり遂げてくれると確信している」と期待した。

 ■国民はルート方針なく

 高市氏は連立枠組み拡大を視野に野党との政策協議を急ぐ考えを示しており、小浜・京都ルートの認可・着工には連携する野党の考え方もポイントになる。

 連携先の念頭にあるとみられる国民民主党の川合孝典県連代表(参院比例)は「党として(敦賀以西の)どのルートが良いとか悪いとかの議論はしていない」と話す。

 党京都府連の特別顧問も務める川合氏は、災害時の東海道新幹線の代替機能を考えれば敦賀―新大阪間の早期延伸は重要としつつ「京都では工事に伴う地下水への影響を懸念する声がある。福井の気持ちは重く受け止めるが、それぞれの地域の声に寄り添った丁寧な対応が必要」と訴える。

 一方、他の連携先として取りざたされている日本維新の会は、参院選京都選挙区で公認候補が米原ルートを視野に入れるべきだと主張してトップ当選。維新代表で大阪府の吉村洋文知事は米原ルートを含む他の選択肢を比較検討するよう国に求めている。ただ、京都維新の会の前原誠司代表(衆院京都2区)は9月下旬、米原ルートはJR東海の理解を得られないとし「実現が難しい感触だ」との見解を示した。

⇒【北陸新幹線】小浜京都ルートを熱望…福井県小浜市の今

 ■維新なら副首都容認?

 「ルート再考を訴える維新との連携となると、小浜・京都ルートの実現には(維新が掲げる)『副首都』構想をバーター(交換条件)で認めざるを得ない」と分析するのは嶺北の若手県議。その場合、自民と連立を組む公明党が副首都構想に後ろ向きな考えを示しているため、調整が難しいとみる。一方で国民との連携は「(政策ごとの)部分連合で予算を通していけるなら、新幹線には反対しないはずだ」と捉える。

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 ベテラン県議は、維新の前原氏の発言を小浜・京都ルートにとってプラスとみる。「与党で敦賀以西の議論を早く進めるには、維新でも国民でもいいが、早期に連立を組んで安定政権をつくることが重要」と強調した。


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