イスラエル首相、ガザ全域支配の意向表明 ハマス反発
[エルサレム/カイロ 7 日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は7日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ全域を軍事的に支配する意向と改めて表明した。
ネタニヤフ首相はFOXニュースとのインタビューで、イスラエルがガザ全域を掌握する考えかという質問に対し、「そうするつもりだ」と応じた上で、「ガザを維持するのではなく、安全保障上の境界線を確保したい」と述べた。
さらに「われわれはガザを統治したいわけでも、統治機関として存在したいわけでもない」とし、最終的にはガザを適切に統治する軍隊に引き渡したいという考えを表明。イスラエルはガザ地区をアラブ諸国に引き渡し、統治するよう要請すると述べた。ただ、統治体制の詳細のほか、アラブのどの国が関与するかについては言及しなかった。
イスラエルのネタニヤフ首相は7日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ全域を軍事的に支配する意向と改めて表明した。写真は7月、国会討論に出席した同首相(2025年 ロイター/Ronen Zvulun)
イスラム組織ハマスはネタニヤフ氏の発言を非難する声明を発表。ネタニヤフ氏が示した計画は、停戦交渉を実施している中での「クーデター」に相当するとし、個人的な利益のために人質を犠牲にするものだと非難した。また、ハマス幹部はアルジャジーラに対し、ネタニヤフ首相の発言に基づきガザ地区統治のために部隊が結成されれば、ハマスはイスラエルに関連する「占領」勢力として対応すると述べた。
このほか、ヨルダン政府の関係筋はロイターに対し、アラブ諸国は「パレスチナ人が合意し、決定することのみを支持する」とし、ガザ地区の治安は「正当なパレスチナの機関」を通して維持される必要があるとの考えを示した。
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