【#佐藤優のシン世界地図探索176】対中国で暗雲立ち込める日本国内で"陰謀内戦"が勃発!?(週プレNEWS)
ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。この連載ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく! * * * ――佐藤さんのモスクワ大学留学時代の同級生で、政治学者のアレクサンドル・カザコフ氏。彼の「日本は第二次世界大戦以来、最も困難な地政学的状況に陥りかねない」という警告に驚愕しました。そして、日本は新たな地政学的な世界の配置が固まるまで「選択」はせずに、情勢がより明確になるのを待つべきだというアドバイスもあったそうですね。日本はいま本当にヤバイんですか? 佐藤 ヤバいと思いますよ。しかし、それでもうまくやっています。ウクライナにもロシアにも、さらにアメリカにもいい顔していますからね。ただ対中国には問題を抱えています。 ――しかし、選択しないことは日本の一番の得意技じゃないですか。 佐藤 はい。だから対中国を除いて、日本の「曖昧戦術」が非常にうまくいっているわけです。 ――安倍晋三元首相が外交の最後の仕上げとして、習近平を日本に呼び寄せて新たな時代を築こうとしたら、コロナ禍で来日が不可能になってしまった。もしあれが実現していたら、日中関係はよくなっていたと思いますか? 佐藤 よくなっていたでしょう。合意文書ができますからね。 ――高市早苗首相の戦艦発言、仮定の話ですがこれはどう受け取られていたんでしょうか? 佐藤 それもそのタイミングで来日して関係性を築けていれば、「ちょっと行き過ぎな発言でしたね。ハハハ(笑)」で済んでいたはずです。やはり、コロナがよくなかったんです。 安倍さんが日本に習近平を国賓で呼ぶということは、天皇陛下と会うことです。一度、天皇陛下と会えば、その関係はなかなか崩せません。右翼に対しても、「天皇陛下がお会いして、仲良くやっていくご判断をしたのに、お前はアヤをつけるのか」という話になります。 ――すさまじい効果です。そうならなかったいまの日中関係は最悪。日露関係に何かあればパイプを持つ自民党・鈴木宗男氏がいますが、日中関係でそういう方はいないのですか?