《懲役は…》「私が行ったことは正しい行為だった」“14歳娘の命を奪った継父”を誘拐したのちボコボコに…「復讐のため犯罪にまで手を染めた」父親のその後(平成21年・海外の事件)(文春オンライン)

 2009年10月8日、誘拐チームの3人はドイツ・バイエルン州シャイデックでクロムバッハを拉致。誘拐した車はドイツ警察に追われながらも、追跡を避けながらスイス、オーストリアの国境を越え、9日後の17日、フランスとの国境近くの裁判所でクロムバッハを置き去りにする。このとき、彼は柵に鎖でつながれ、頭蓋骨を骨折していた。 「あとはおまえの好きにすればいい」  誘拐犯の電話を受け、バンベルスキーは警察に自首。  犯行に至った経緯を洗いざらい打ち明ける。ドイツ当局はクロムバッハの帰国とバンベルスキー及び誘拐犯の引き渡しを要求したが、フランス側はこれを拒否。クロムバッハはフランスで投獄され、2011年より裁判が始まった。公判では数人の女性が10代のころ、クロムバッハにコバルト・フェレシットの注射を使って性的虐待を受けたと供述し、カリンカの実母であるダニエルも証言台に立った。  同年10月22日、裁判所はカリンカに対して故意に身体的危害を加え、不慮の死を招いた罪でクロムバッハに懲役15年の刑を宣告する。クロムバッハはすぐに控訴するも棄却。  最高裁判所への上訴も2014年4月2日に退けられ刑が確定、刑務所に投獄されるも、6年後の2020年2月、健康上の理由で釈放され、同年9月12日にドイツの老人ホームで亡くなった(享年85)。

 一方、バンベルスキーの裁判は2014年5月22日から始まり、下された判決は執行猶予付き懲役1年(誘拐実行犯グループの判決内容は不明)。  彼は2025年5月現在、健在で、2022年のメディアの取材でも「私が行ったことは正しい行為だった」と語っている。

鉄人ノンフィクション編集部/Webオリジナル(外部転載)

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