【犯人はウニ】施設に50カ所以上の穴…「お客が来ない」足摺海底館、ウニに食べられ注目集まる 休館からの営業再開「本当に大丈夫?」
ウニの食害で浸水し休館となっていた足摺海底館(高知県土佐清水市)が8月8日に営業再開した。
四国から太平洋に突き出る足摺海底館
1972年に開館した足摺海底館は登録有形文化財にも指定されている「下駄ばきのまま海中散歩」をコンセプトに建設された、ユニークなデザインの施設。浸水以前は「お客さんが来ない!」とXでポストを続けていただが、ウニに食べられ休館に追い込まれたことで注目が集まる事態に。
ウニがこつこつ齧り続け、こんなに深い穴が!
きれいな●…穴は50個以上見つかった
浸水個所は1カ所だったが、調査したところ見つかった穴は50以上も。強化プラスチックとコンクリートをも貫通させるウニの歯の力と、根気の強さに驚いた人は多いのではないだろうか。43日ぶりに営業再開した足摺海底館の宮地寿和さんに話を聞いた。
海中から見た海底館の様子
海底館浸水調査の様子
―浸水の被害状況は?
宮地:6月26日、開館準備のため職員が階下に降りた際に、深い場所で4cm程度の浸水がありました。調べたところ穴の大きさは5mm程度でした。50年以上も台風などの風や大波にも耐えてきた施設が、まさかウニの小さな口に負けてしまうとは思ってもみませんでした。“水滴石を穿つ”と言いますが、ウニも少しずつ穴をあけていったのだと思います。
当時の建築の様子。地上で作られたタワーが海底に沈められた
地上で建設中の様子。強化プラスチックとコンクリートで作られたが、まさかウニが貫通させるとは
―どんなウニ対策を?
宮地:穴が貫通した箇所には溶接を行い、他にも途中まであいた穴がいくつもあったので、パテで埋めています。現在は館内から内壁部分を点検出来る扉を設置しており、今後は海中からの点検はもちろん、館内からも定期的な確認が必要です。
―奇しくもウニ被害での休館が話題に。
宮地:今回のことを転機に竜串の海の良さや自然の凄さを再認識して伝えていける良い機会になった気がします。
―反響の中で印象に残っているものは?
宮地:再開の目途がたったとき、本当に大丈夫なの? などの質問も数多く投稿される中、「大変ですけど頑張って下さい」という励ましの投稿も多くいただきうれしかったです。
―営業再開後、来場者に変化は?
宮地:普段の開館時と変わらずご来館いただけているように感じました。ホッとしたのが一番です。引き続き竜串エリアの海の魅力を伝え続けられるよう運営をしていきたいと思っています。
螺旋階段で降りればそこはもう海底
海中窓からの景色。多種多様な魚が泳いでいて飽きない
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SNSでは「老朽化だと思っていたら、まさか犯人がウニだとは」「FRPとコンクリートを貫通するウニの歯がすごい」「怪我の功名で集客頑張ってほしい」など大きな反響が寄せられている。気軽に海中探検ができる天然ミュージアム・足摺海底館。公式HPでは透明度も確認できる。是非一度足を運んでいただきたい。
十字の展望台はレトロマニアに人気
足摺海底館関連情報公式HP:https://kaiteikan.jp/index.htmlX:https://x.com/kaiteikan_time
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