レイオフが止まらないマイクロソフト、時価総額4兆ドル企業に。CEOの公式ブログから背景を読み解く(ギズモード・ジャパン)
会社はこんなに儲かっているのに、社員はごっそりカット。 なんかもう、それが当たり前になってきましたね。 Microsoft(マイクロソフト)が9000人をレイオフした際、サティア・ナデラ会長兼CEOが出した公式ブログの文章からも、そういう時代の移り変わりを感じてしまいました。 CEOは冒頭「苦渋の決断だった」と述べ、レイオフした社員に向け謝意を表し… 「会社を去った社員の方がたへの心からの感謝を述べたい。彼らの貢献があったから会社の今がある。彼らは今われわれが依って立つ会社の礎を築いてくれた方々である。深く感謝している」 次の段落では、時代の不確実性と「一見矛盾する状況」(実は儲かってるって話)を説明。 どの客観的指標に照らしてもMicrosoftは好調で、市場評価、戦略的ポジショニング、成長度、そのすべてにおいて右肩上がりの成長を遂げている。 設備投資は未曽有の規模で行なわれ、全体で見れば社員数は比較的横ばいであり、優秀な人材とその専門性が業界および社内で高く評価され数々の賞に輝いてもいる。それなのにレイオフ断行に踏み切ったことになる。 その後はレイオフに踏み切った理由が続くのですが、やや歯切れが悪くなっています。当たり前か…。 フランチャイズ価値のない業界においてはこうすることが成功の鍵を握る。発展は一直線ではなく、ダイナミックに変動するものであり、一貫性に欠くこともあれば、厳しい要求に常に晒されている。しかし身を引き締め、時代を先取りすることで、かつてないほどの影響力を手にできることもまた事実。 われわれが求める成功の指標、それはすなわち「学んだことを一度ご破算」にして「学ぶ」こと。この難局を切り抜けるためには、変わりゆく顧客ニーズにこたえ、今の事業の保全・拡大を続けながら、ビジネスモデルと開発体制を整え、新たな業域を創出していくことが不可欠なのである。 最後のほうでは「パソコンが一家に一台となった90年代初期と同じことが、今AIで起こっている!(中略)来週の四半期報告が今から楽しみだ」と無理やり明るく結ぶナデラCEO。 予言どおり、翌週30日の四半期報告ではアナリスト予想を上回る売上を発表し、Microsoft株は爆上がり。31日には2週間前のNVIDIAに次ぐ史上2番目の時価総額4兆ドル超えカンパニーとなりました。 辞めさせられた社員はどんな思いで眺めているのやら…。 ナデラCEOの通告をテックブロガーのOm Malikは「財務状況の悪化が原因なのではなく、AI中心の新機軸に合わないという、それだけの理由で従業員がレイオフされるってことだよね」とまとめ、「これはMicrosoftのみならず、AIに直面するソフトウェア業界全体の未来の縮図かも」と評してます。 御用済みの社員はバッサバッサと切られて、そうかと思うと、AI分野トップの人材引き抜き競争では百億円単位のボーナスが飛び交っています。明暗激しすぎて暗くなるわ…。 Sources: Microsoft Blog
satomi