「ラブブ」人気で純利益5倍に、中国ポップマート 1-6月期

中国の玩具大手、泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ)が19日発表した2025年1─6月期(上半期)決算は、純利益が前年同期から約5倍、売上高は約3倍に急増した。上海で6月撮影(2025年 ロイター/Go Nakamura)

[香港/上海 20日 ロイター] - 中国の玩具大手、泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ)(9992.HK), opens new tabが19日発表した2025年1─6月期(上半期)決算は、純利益が前年同期から約5倍、売上高は約3倍に急増した。キャラクター「ラブブ」が大ヒットし、関連商品の販売が好調だったほか、高利益率の海外市場へのシフトが寄与した。
株価は年初から3倍以上に上昇しており、「バービー人形」で知られる米玩具大手マテル(MAT.O), opens new tabや「ハローキティ」などのキャラクター商品を手掛けるサンリオ(8136.T), opens new tabといった業界の有力企業の時価総額を上回っている。ポップマートは、25年12月期の経常利益が前期から少なくとも4.5倍になるとの見通しを7月に公表している。

パッケージを開けるまで中身が分からない「盲盒(ブラインドボックス)」に入って売られるキャラクターは、元サッカーの元イングランド代表主将のデービット・ベッカム氏などセレブの支持を得ている。

ポップマートは品切れが続出している商品の供給を拡大する方針を表明。最高経営責任者(CEO)王寧氏は7月、中国国営メディアのインタビューで、ラブブの販売数量を今年9月から1日当たり1000万個超にするとの見通しを示している。

25年1─6月期にラブブを含む「ザ・モンスターズ」の売上高は48億1000万元(約6億6988万ドル)で、売上高全体の34.7%を占めた。

ポップマートは18カ国・地域に計571の店舗を構えるほか、自動販売機を置いたロボショップを2597展開している。

<海外市場に前向き>

10年にポップマートを創業した王CEOは20日、25年に200億元(27億8000万ドル)という売上高目標を達成する勢いであり、「今年300億元もかなり簡単だろう」と語った。

ポップマートの株価は同日序盤の香港市場で5%以上上昇した。

同社はまた、中東、中欧、中南米の新興市場での事業拡大を検討していると表明。「海外市場についてはなお非常に前向き」とし、今年の北米とアジア太平洋地域を合わせた売上高は24年の中国売上高に匹敵しそうだと付け加えた。

現在約40店舗を展開している米国では、今後1─2年で「比較的急速な出店」を行い、今年末までにはさらに10店舗オープンするという。

モーニングスターのアナリスト、ジェフ・チャン氏は「既存シリーズの再補充と新バージョンの発売により、下半期の収益拡大が期待される。とはいえ、投資家は長期的な事業リスクの高さを見落としているとわれわれは考えており、株価は割高にとどまっている可能性が高い」と指摘した。

ポップマートが次に目指しているのはディズニーのような帝国であり、幹部はポップマートのキャラクターがアニメ映画やテーマパークのアトラクションに登場する機会に楽観的な見方を示している。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

Casey has reported on China's consumer culture from her base in Shanghai for more than a decade, covering what Chinese consumers are buying, and the broader social and economic trends driving those consumption trends. The Australian-born journalist has lived in China since 2007.

関連記事: