トランプ大統領が無理矢理閉鎖した政府運営の気候変動対策サイトを元NOAA職員が再構築
アメリカ合衆国商務省の機関のひとつであるアメリカ海洋大気局(NOAA)は、気候変動対策サイトの「Climate.gov」を運営してきました。しかし、このサイトをトランプ政権は突如閉鎖し、15年間にわたって蓄積されてきた気候関連の貴重な情報が失われる危機に陥りました。このClimate.govを、元NOAAの職員が再構築しています。
Trump dismantled the NOAA climate website. These women rebuilt it.
https://19thnews.org/2026/07/noaa-climate-data-website/2025年、トランプ政権はNOAAが運営してきた気候変動対策サイトのClimate.govを閉鎖しました。さらに、トランプ政権は約28万人の政府職員を解雇しており、この中にはNOAAの職員も多く含まれていたそうです。なお、記事作成時点でClimate.govにアクセスすると、NOAAにリダイレクトされます。
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そんな解雇されたNOAA職員のひとりがレベッカ・リンジー氏です。同氏は同じくNOAAを解雇されたアンナ・エシェルマン氏と、姉のメアリー・リンジー氏と協力して、閉鎖されたClimate.govに代わるサイト・Climate.usを立ち上げました。そして、15年以上にわたって記録されてきた重要な気候データと資料の保存に取り組んでいます。レベッカ氏はClimate.usの存在意義について「信頼できる気候情報は政治情勢が変わっても消えるべきではありません」と語りました。
Climate.us Home
https://www.climate.us/Climate.usが保存している資料には、重要な地図、教育資料、気候指標レポートなどに加え、Climate.govから削除された第5次国家気候評価報告書(NCA5)も含まれています。NCA5はアメリカ政府が行った気候変動に関する最も包括的な分析であり、「国民の目に触れることなく失われる危険性があった」とニュースメディアのThe 19th Newsは報じました。 レベッカ氏によると、Climate.govは過去数十年にわたって複雑な気候科学データを分かりやすい一般向け情報に変換する頼りになる情報源であり、熱波を乗り切る方法からエルニーニョがハリケーンに与える影響の説明まで、あらゆる重要なヒントを年間1500万人以上のウェブサイト訪問者に提供してきました。Climate.govの運営資金は政府から提供されてきましたが、トランプ政権が方針を転換し、資金提供は突如停止。この時のことを、「衝撃的でした」とレベッカ氏は語っています。 レベッカ氏は現状の気候関連コミュニティについて、「今の気候コミュニケーションと気候ジャーナリズムの状況はよくありません。我々は、ハブとして機能する成熟した堅牢で包括的なオンラインプラットフォームを持つことが本当に重要だと感じています。他の人が構築し、成長できる基盤、つまり礎が必要だと感じています」と言及し、Climate.usの必要性について語っています。
記事作成時点でレベッカ氏はClimate.usの編集長、エシェルマン氏はリードデザイナー、メアリー氏はリードデータビジュアライザーを務めています。NOAAを解雇される前、レベッカ氏はClimate.govのプログラムマネージャーを務め、エシェルマン氏はClimate.govチームで4年以上にわたってアーティストを務め、メアリー氏はClimate.govでビジュアライゼーションの専門家として13年にわたって働いてきました。 レベッカ氏は「我々はコミュニケーターです。気候科学者ではありません。Climate.usは科学者と一般市民の間の架け橋となるでしょう」と語っています。
2026年6月23日に立ち上げられて以来、Climate.usはクラウドファンディングと個人からの寄付を合わせて40万ドル(約6500万円)以上を集めました。レベッカ氏は長期的な見通しは不透明ではあるものの、2027年初頭までプロジェクトを継続するには十分な資金があると説明しています。 レベッカ氏によるとClimate.usはサイトの最も注目すべき部分を維持しつつ、成長と更新を継続することを目指していると説明。「今の私たちの姿や活動は、完全なClimate.govではありません。しかし、それだけの価値はあると感じています。これはひとつの成果であり、サイトの最も重要な部分を最新の状態に保つために最善を尽くしています」とレベッカ氏は語りました。 Climate.usはレベッカ氏、エシェルマン氏、メアリー氏の3人で運営されていますが、持続可能な運営のためには最終的に10~12人程度の従業員が必要になるとのこと。なお、従業員は3人ですが、科学的正確性を確保するためのレビュー担当者として、80人以上の科学者がボランティアとして参加しているそうです。
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