県岐阜商を復活させた前監督が語った「横浜撃破、大番狂わせを起こした3つの勝因」|記事一覧|高校野球ドットコム
16年ぶりの準々決勝進出を決めた県岐阜商が、センバツ王者の横浜に8対7でサヨナラ勝ちを収めた。延長11回に及ぶ激戦を制した県岐阜商だが、試合前の下馬評では横浜有利の声が多かった。下馬評を覆し、今大会一番の番狂わせを起こした県岐阜商に鍛治舎巧前監督はどう見ていたのか。勝因は3つあると語った。
■勝因1つ目 先発・渡辺大雅の快投
勝因の1つ目は、先発で5回をゼロで抑えた渡辺の好投が大きかった。
コントロールが良く120キロ後半のストレートと角度のある100キロ前後のスライダー、それと同じ腕の振りで反対に変化するチェンジアップが打者を翻弄するのに効果的だった。
さらに初回二死二塁、ライト後方へのライナー性の当たりを好捕した横山 温大(3年)のファインプレーも、横浜に先制されるのを防いだ点で渡辺を支えた勝因だ。
■勝因2つ目 ファーストストライクからどんどん打ちに出た積極性
ファーストストライクからどんどん打ちに出た積極性がヒットを量産し、横浜投手陣を追い詰めたこと。織田翔希(2年)・奥村頼人(3年)というアベレージ140キロ超の好投手相手に、いつも2ストライク後にとるノーステップバッティングを初球からやっていた。
目線のブレも下半身のブレもなく、振り負けないでジャストミートで打ち返していたのがヒット量産(16安打)の要因だった。
■勝因3つ目 県岐阜商の巧みな投手プラン・投手起用
横浜が連投で疲れの残る実質的なエース・織田を先発させ、県岐阜商は、エース柴田 蒼亮(2年)を後半戦に温存した。
展開は、県岐阜商の思惑通りに動いた!
織田を打ち崩し、渡辺が抑え、試合の勝敗は後半勝負に持ち込まれた。この投手起用の差が同点に追いついてからの投手力の差となり、勝敗を分けた3つ目の勝因となった。
鍛治舎監督は以前の取材で昨年、現在のチームが始動した時、仕上がりの良さに「早く次の指導者に託した方がよいと思い、退任を固めました」と退任理由を語っている。鍛治舎監督の次に託されたのが藤井 潤作監督だった。
ここまでの躍進について、
「昨秋、蒔いた種が、この夏の県大会、そして甲子園で結実し、攻撃野球を貫く県岐阜商らしい試合が展開出来ている。バトンタッチがスムーズに出来て、藤井潤作監督に感謝している。勢いが加速度的についているので、このまま一気に走り切って欲しいと思います」
次は強力打線・日大三と対戦。快進撃はまだ続くのか。