ブラジル大統領選、現職ルラ氏が決選投票で当選 敗れた右派候補は「あり得ない」

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支持者たちと共に、決選投票での逆転勝利を喜ぶルラ大統領(25日、サンパウロ)

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南米ブラジルの大統領選挙の決選投票で、選挙管理当局は25日、左派で現職のルイス・イナシオ・「ルラ」・ダ・シルヴァ氏(80)が再選されたと発表した。ルラ大統領は勝利演説で、「(ブラジルは)誰かの裏庭になることなど、決して受け入れない」と述べた。これはアメリカのドナルド・トランプ政権を念頭に置いたものと受け止められている。一方、第1回投票では勝った右派候補のフラヴィオ・ボルソナロ氏(45)は、今回の結果を「あり得ない」ものだとし、無効にするべきだと主張した。

開票はすべて終了した。ルラ氏の得票率は51.79%で、ボルソナロ氏の48.21%を上回った。票差は400万票を超えた。

開票率98.87%の時点で、ルラ氏の得票率は51.79%、ボルソナロ氏は48.21%だった。ブラジルの中央選管に当たる高等選挙裁判所(TSE)は、この時点でルラ氏が当選したと発表した。

1988年の民主化以降、大統領選の第1回投票で敗れた候補が、決選投票で勝利したのは初めて。

ルラ氏にとっては大統領選挙で4度目の勝利となる。ルラ氏は2003年1月から2010年12月まで2期にわたり大統領を務め、2023年1月から再び大統領職に就いている。

ボルソナロ氏は10月4日の第1回投票でルラ氏を破った。わずか3週間で、ルラ氏が結果を覆せると予想する人は多くなかった。

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ルラ大統領の支持者たちは決選投票の結果に大喜びした(25日、ブラジル・サンパウロ)

「うそが負けた」とルラ氏

勝利を喜ぶ支持者の前に現れたルラ氏は、「私たちの喉はとても疲れている」としわがれた声で話し始めると、隣にいたジェラルド・アルキミン副大統領に、まず先に話すよう促した。

これを受けてアルキミン副大統領は、「あなたがブラジルの民主主義を救うのは、これで2度目だ」とたたえた。

続いてルラ氏は、自分の選挙運動の関係者に感謝するとともに、「ブラジルの民主主義を守るために街頭に出た」という若者たちを含め、「ブラジル国民の寛大さ」に感謝した。

そして、多くの有権者の支持を得られたのは、この投票がブラジルの主権にとっていかに重要か、自分たちが説得できたからだと強調。「否定的な態度が負け、うそが負けた」のだと述べた。

さらに、若い有権者や女性や教師たちが自分を支えてくれたと感謝した。

大統領は、ブラジル国歌の演奏を受けて「民主主義よ、いつまでも」と強調。「私の4期目は、この国の歴史でどの大統領よりも優れたものになる」、「私がこれまでで最もブラジル国民に耳を傾ける任期になる」と述べた。

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ルラ大統領の再選を祝う大群衆(25日、サンパウロ)

ルラ氏は選挙運動中、「(ブラジルは)誰かの裏庭になることなど、決して受け入れない」と繰り返してきた。「裏庭」とは「アメリカの裏庭」という表現を念頭に置いたもので、ラテンアメリカはアメリカの勢力圏下にあるべきだというアメリカの考え方を反映する表現。

トランプ米大統領は「ドンロー・ドクトリン」と呼ぶ外交方針の中で、特にこの姿勢を明確に打ち出してきた。

これに反発する動きもラテンアメリカ諸国にはあり、アメリカの介入を拒否する有権者が、ブラジルの主権を擁護するルラ大統領を支持したことが、今回の逆転勝利の一因になったという分析もある。

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敗れたボルソナロ氏(右から2人目)は、この結果は「あり得ない」として無効化を求めた(25日、ブラジリア)

対するボルソナロ氏は、決選投票の結果は「あり得ない」、「説明がつかない」ものだと述べ、無効にされるべきだと主張した。

無効にすべき理由として、同氏は「ゲームのルールが変更された」からだとしている。これは、最高裁が当日、投票時間を2時間延長したことを指している。

決選投票では、一部の都市で公共交通機関の混乱や悪天候により投票に支障が生じたとして、両陣営が苦情を申し立てたため、投票時間は2時間延長された。

ボルソナロ陣営は結果発表前から、すでに選挙手続きへの疑念を示していた。

ただし、ブラジルで大統領選の結果が無効とされた前例はない。

ボルソナロ氏の父ジャイル・ボルソナロ前大統領も、2022年大統領選での敗北を認めなかった。

ブラジルのルラ大統領、決選投票で勝利 どうやって形勢逆転したのか

ラテンアメリカではこのところ、有権者が左派現職に背を向けて右派候補を選ぶ傾向が続いていた。ルラ氏の勝利は、その流れにも逆らった。

南米では、アルゼンチン、チリ、コロンビアといった大国はどれも保守派が政権を担っている。

他方、ラテンアメリカの複数の首脳がルラ大統領の再選を祝った。

パラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領はソーシャルメディアに「この偉大な民主主義の旅路について、ブラジル国民に敬意を表します」と投稿した。

メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は同様に、「民主主義万歳。勝利したのはブラジル国民です。ルラ大統領、おめでとうございます!」と書いた。

ボリビアのロドリゴ・パス大統領は、「ボリビアとブラジルは隣国で兄弟国です。両国は共通の歴史と共通の課題によって結ばれています。私たちは引き続き協力し、関係を強化し、両国民のためにより多くの機会を生み出していきます」と述べた。

キューバの指導者ミゲル・ディアスカネル氏は、ルラ大統領の再選を「歴史的勝利」と呼び、「あなたの指導の下でブラジル国民が歩んできた平和、主権、社会正義の道の継続を、確かなものにする」結果だと述べた。

ウルグアイのヤマンドゥ・オルシ大統領はルラ氏を「友人」と呼び、「勝利と、選挙プロセスが示す民主的な祝祭について、祝福した」と述べた。

パナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領は、「この民主的な日にあたり、ブラジル国民を祝福するとともに、とりわけルラ大統領の勝利を祝福します!」と述べた。

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