南場智子氏が社長に復帰するDeNAは再生するか?
DeNAの業績が期待に届かない局面が続いた中でついに創業者の南場智子氏自らが社長に復帰すると発表しました。15年ぶりの社長業でCEOも兼任します。
南場智子氏Xより
南場氏は女性経営者として日本の代表格であり、経団連副会長まで務めましたが、年齢的には64歳でまだまだ現役で行けます。私のDeNAの印象はグリーとのゲーム戦争の頃とか南場氏の2013年の著書「不格好経営」を含めた昔の南場氏の手腕であります。一般的な評価に何と書かれているかは私は知りませんが、私が強い印象を持っている点は
- 若い人にチャンスを与え、失敗をするも愛のムチでイエローカード2枚ぐらいの失敗までは許す心の広さ
- 起業家精神の塊で、マッキンゼー出身という背景が生み出したパワー
- 他方、儲かるなら割となんでも食いつくタイプでいまだにDeNAが何の会社か説明できない
ある意味ドライで北米的なところもありますが、DeNAのメイン路線を打ち出せなかったと思っています。実際には今でも主な事業はスマホゲームの会社でありますが、ゲームの会社は栄枯盛衰というかヒット作を生むか生まないか次第であります。伝統とか、会社の歴史などはほぼ関係なく、その時にヒット作品を飛ばせばそれでよいわけです。
その点で「木の年輪」のような会社の深みが生まれないのがゲームのソフトを作る会社とも言えます。例えばライバルだったグリーも2010年から11年頃がピークでそのあとは鳴かず飛ばず、今でも上場していますが、何やっているのかさっぱり耳にしないのはゲームという会社の特性なのであります。要はその時は面白くて盛り上がっても移り気の若者やゲーマーにはあっという間に飽きられてその後は見向きもされず、蓄積されるべく企業価値が上がらないというのが実態であります。
もっと言うならトレンド性の強いゲームのカテゴリーは長い時間軸で見れば「はやりビジネス」で瞬間と瞬間を繋ぐ役割であり、1年しか着ないファストファッションの洋服より厳しいジャンルだと考えています。
よって南場氏が復帰するならDeNAのDNAを太く、明白に、そしてわかりやすくすると同時にゲーム事業の持つ特性、特にその弱点を補うべく施策を行い、今後も成長できる企業にどう変貌させるかがポイントだろうと思います。
ゲーム産業はデベロッパー/バブリッシャーと称する業種とスマホオンラインゲーム業種の2つのラインに分かれます。前者は任天堂とかソニー、バンダイナムコなど、企業によっては上流から下流まで上手にビジネスを展開し、個々のゲームというより企業のネームバリューをベースにしています。
一方、スマホオンライン系は都度都度のヒット作品次第でその時々の勝負傾向が強く出ます。それでも東証には主要企業だけで13社上場し関連まで含めれば70社ぐらいになるようです。DeNAは残念ながら後者のグループであり、これがゲーム会社としての明白な構築が果たせなかった最大の難所であります。ライバルにはガンホー、コロプラ、Klub、Mixi、サイバーエージェントなどがあります。
私どもがアニメ系商品の販売をしていて思うのは無数にあるアニメ作品でどの作品がヒットし、それに対してどの程度の強い消費意欲が沸くかであります。個人的観点からするとアニメがそれぞれの人の心にどれだけ訴え、継続性をもって共に成長できるかであります。わかりやすい例でいうと私が音楽と言えば70-80年代ものを今でも聞き、松田聖子と山下達郎から抜け出せないのと同じで、当地のアニメならセーラームーンであり、エバンゲリオンが今でも手に取られるほど人々に強い印象を与えたのです。
ゲームならとりもなおさずマリオであり、当地のアニメイベント行けばマリオに変装したオジサマがたくさん徘徊しております。私がラブライブを好むのも長寿だからであり、商売の観点からすると「ワンピース」が不動の地位になりつつあるわけです。こういう10年、20年後に残るストーリーが作れていないのがスマホゲーム系であり、ゲーマーから見ればどこの会社ではなく、どのゲームが流行っているかが決め手とも言えるのです。
とすれば半ば冗談ですが、南場智子氏をキャラに仕立てたDeNAしかできないスマホゲームを作るなどありなのですよ。南場氏の名前は相当広く認知されているけれど氏とゲームが全く結びつかないのがミソなのではないでしょうかね?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年5月13日の記事より転載させていただきました。