ロシア戦勝80年式典、中国の習近平主席ら20カ国首脳参加へ 侵略後で最多

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ロシアは9日、第2次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日を迎える。2025年は戦後80年となり、当日に開催する式典や軍事パレードにはウクライナ侵略後で最多となる20カ国規模の外国首脳が出席する見通しだ。

ロシアのプーチン大統領は侵略が長期化するなかで外国首脳を首都モスクワに招き、西側諸国に対して結束を誇示する狙いとみられる。

ロシアは戦勝記念日に合わせて旧ソ連諸国や、中ロが主導する新興国の多国間枠組みBRICSの加盟国、アフリカ諸国などの首脳を招待した。ロシア紙RBKによると、式典やパレードに参加する外国首脳は17カ国にのぼる見通しだ。

カザフスタンなど旧ソ連構成国のほか、中国やブラジル、欧州のスロバキアなどが含まれている。タス通信によると、アフリカの一部の国からの出席も見込まれ、20カ国規模となりそうだ。

式典への参加が見込まれる国はウクライナ侵略を受けた対ロシア制裁から距離を置き、友好的な関係を維持している。プーチン氏は中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席を「主賓」として招く意向だ。中国外務省は4日、習氏が7〜10日の日程でロシアを訪問すると発表した。式典出席やプーチン氏との首脳会談を予定する。

欧州連合(EU)加盟国であるスロバキアのフィツォ首相は24年12月にモスクワを事前予告なく訪問しプーチン氏と会談するなど、ロシア寄りの路線を鮮明にしている。アジアからはベトナムの最高指導者トー・ラム共産党書記長が参加するとみられる。

ロシアのペスコフ大統領報道官は4月30日、インドのモディ首相について「参加しない」と述べた。ロシアメディアによるとインドとパキスタンの緊張の高まりが影響したという。インドメディアはシン国防相がモスクワの式典に出席すると報じた。

ロシアがウクライナ侵略を開始した2022年に開いた5月の戦勝記念日式典は外国首脳の参加がゼロだった。23年はベラルーシなど旧ソ連構成国から7カ国の首脳が出席、24年は旧ソ連諸国やキューバ、ラオスなど9カ国の首脳が参加した。

ロシアは戦後の節目となる年に外国首脳を多く招いており、今年の参加国は戦後70年の15年並みの水準となる見通し。

プーチン氏は戦勝記念日に合わせ、モスクワ時間の8日午前0時(日本時間同日午前6時)から11日午前0時まで72時間の停戦も一方的に決めた。ロシアとウクライナが互いに攻撃が続いていると主張することが予想され、履行されるかは不透明だ。

ウクライナメディアによると、同国のゼレンスキー大統領は72時間の停戦を拒否する考えを示した。

プーチン氏はナチス・ドイツへの勝利を祝う戦勝記念日をウクライナ侵略と重ね合わせ、内外にロシアの主張を訴えようとしている。4月29日には第2次大戦で独ソ戦の激戦地となった南部ボルゴグラードで「戦勝記念日は最も重要で神聖な祝日のひとつ」と述べ、式典への外国首脳の出席に期待を示した。

式典ではプーチン氏の演説のほかモスクワの赤の広場で軍事パレードを予定する。外国軍の部隊も参加する可能性がある。

ロシアは24年にBRICS議長国を務め、同年10月に西部カザンで加盟国の首脳会議を開いた。習氏やモディ氏らが参加し、共同宣言で「違法な制裁を含む非合法な一方的強制措置が、世界経済や国際貿易に及ぼす悪影響を深く懸念する」と明記し、西側諸国を非難した。BRICSを米欧や日本への対抗軸としたい思惑がにじんだ。

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