【分析】トランプ氏の判断力めぐり米国民の懸念増大、世論調査で明らかに(CNN.co.jp)
(CNN) トランプ米大統領は、当初の対立候補だったバイデン大統領(当時)が年齢や判断力への懸念から撤退した後、2024年の大統領選に勝利した。 【映像】「縄で縛られたバイデン氏」の図 トランプ氏の投稿が物議 しかし、トランプ氏の4年任期が始まって1年あまりが経過する中、世論調査は、米国民が同氏の職務遂行ぶりに対する不満を強めているだけでなく、その知的能力についても懸念を強めていることを示している。 その不安は、81歳で選挙戦から撤退したバイデン氏のときほどの水準には達していないものの、79歳のトランプ氏においても問題になりつつある。 実際、最近の複数の世論調査で過半数の国民がこの点に何らかの形で疑問を呈しており、多くの共和党支持者が懸念を示すほどになっている。 特に注目されたのは24日に発表された世論調査だ。調査はトランプ氏2期目最初の一般教書演説を前に実施されたもの。 ロイターとイプソスが実施したこの調査では、国民の61%が「トランプ氏は年齢とともに不安定になった」という見方に同意した。共和党支持者でも30%がこれに同意している。 この結果は、トランプ氏の1期目に多くの国民が同氏の思考の明晰(めいせき)さに疑問を抱くようになった当時の調査を想起させる。ただし、21年の連邦議会襲撃事件後に行われたクイニピアック大学の世論調査で、同氏が「精神的に安定していない」と答えた登録有権者の割合は50%近くに達したものの、過半数に至ることはなかった。ましてや61%などではない。 今回の調査ではまた、トランプ氏の「思考は鋭敏で、課題に対処できる」と答えた割合が減少していることも示された。この数字は現在、23年9月の54%から45%に低下している。 それでも、認知機能テストで満点を取ったと折に触れ自慢し、24日夜には1時間47分にわたって演説したトランプ氏は、バイデン氏とは大きく異なる。バイデン氏が選挙戦から撤退した24年7月に同氏の「思考は鋭敏で課題に対処できる」と答えた人は4分の1程度にすぎなかった。 他の世論調査も同様の傾向を示している。先月のCNNの調査では、「効果的に大統領を務めるための持久力と鋭敏さがある」と答えた人の割合は23年末の53%から46%に低下した。 この46%という数字は、23年当時25~32%の間にとどまっていたバイデン氏を依然として大きく上回る。 ワシントン・ポスト紙、ABCニュース、イプソスの先週の調査では、トランプ氏に「効果的に職務を果たすための思考の鋭敏さがない」と答えた人が56%、「身体的健康が十分でない」と答えた人が51%といずれも過半数に達した。 前者は23年5月から13ポイント上昇し、後者は23ポイントも上昇している。 これらの数字は、大統領任期終盤にいずれも60%台に達していたバイデン氏ほどではないが、トランプ氏の思考の鋭敏さに疑問を持つ人の割合(56%)は、在任中の同時期のバイデン氏と実のところ同水準だ。22年2月のバイデン氏に対するこの質問の割合は54%だった。 さらに、先月実施されたピュー・リサーチ・センターの調査もある。 この調査によれば、トランプ氏に職務を果たすだけの知的適合性があると少なくとも「強く確信している」と答えた人の割合は、1年前の39%から32%に低下した。 身体的適合性についても、少なくとも「強く確信している」と答えた人の割合は35%から28%にまで下がっている。 また、ロイターとイプソスの調査と同様に、共和党支持者および共和党寄りの無党派層の数字も注目に値する。トランプ氏の知的適合性に「強く確信している」と答えた人の割合は75%から66%に低下し、身体的適合性については65%から55%に落ち込んだ。 つまり、二つの調査からは、トランプ氏の支持基盤の中でも3割以上がこの問題について一定の懸念を示していることが明らかになったのだ。 繰り返すが、バイデン氏の数字は全体としてさらに悪かった。24年4月時点で、知的適合性について「強く確信している」と答えた有権者はわずか21%、身体的適合性については15%だった。 とはいえ、なぜトランプ氏に対するこれらの指標は悪化しているのか。 説明の一つは、単に支持率の低下に連動しているというものだ。トランプ氏に対する評価が全般的に厳しくなる中、公の場での奇妙な同氏の振る舞いが、以前よりも否定的に捉えられるようになっているのかもしれない。 しかし、トランプ氏を好意的に見る傾向のある国民の間でもこうした懸念はうかがえる。アイスランドとグリーンランドを何度も混同するといった言い間違いはおそらく影響しているだろう。手のあざや、公の場での居眠りらしき姿、健康診断結果の開示の遅れ、さらには限定的になった公務日程などが疑念を強めている可能性もある。 いずれにせよ明らかなのは、史上最高齢で選出された大統領はこの問題に向き合わなければならないということだ。数年前にその称号を持っていた前任者と同様に。 ◇ 本稿はCNNのアーロン・ブレイク記者による分析記事です。