「守りに入ったな」 野望の実現見えた維新、高まる空中分解の危機
橋下氏は維新の吉村洋文代表について「あと2年で知事も政治家もやめる」と爆弾発言を繰り出すと、「吉村さんは大阪を副首都にすると掲げているから、(政権の)中に入って『(副首都)法案をやってくれるなら自公に全部賛成する』と打ち出せばいい。維新だって、もう退潮傾向だから」と述べた。
吉村氏は「(自らの進退は)僕が決める」と火消しを図ったが、この頃から石破茂首相(当時)退陣後の連立入りに傾いていった。本拠地・大阪では悲願の「大阪都構想」達成のため、党の存亡をかけて連立入りするシナリオが盛り上がった。
大阪都構想実現へ猛進
都構想は2010年に府知事だった橋下氏が府と市の二重行政の解消を目指して提唱し、大阪維新結成の旗印になった。当初は大阪市と周辺10市を人口30万人規模の20の特別区に再編する計画だったが、その後、「大阪市役所の権限と財源をむしり取る」(橋下氏)と、大阪市を廃止し、政令市より権限の小さい特別区に再編する案に変わった。
橋下…