『文春』に元編集長苦言 菊池寛が泣いているぞ 花田紀凱 花田紀凱の週刊誌ウォッチング(1064)

雪のなか、選挙戦が展開された=2月1日午後、新潟県長岡市

今週の『週刊文春』(2・12)を読んであきれ果てた。

「独走スクープ第2弾 極秘リストを入手 高市首相は統一教会に挨拶(あいさつ)状を送っていた!」

高市早苗事務所が地元の支援者や企業、団体に季節の挨拶状を送っていて、その中に地元の統一教会関係者が2人入っていたというのだ(しかも、平成28、30年の話)。

それがどうしたというのか。

統一教会信者だって有権者。『文春』が先週号でとがめていた高市さんのパーティーに出席したって何の問題もないし、挨拶状を送ったって何の差し障りもあるまい。

しかも、この記事の冒頭で、高市首相が遊説の握手攻めで持病の関節リウマチが悪化、痛む手の治療のため2月1日のNHK「日曜討論」を休んだことを「怪我(けが)でドタキャンは噓」とまで決めつけている。

読んでみると、匿名コメントばかりで、「噓」と決めつける何の根拠もない。名誉毀損(きそん)ものだ。

投票日直前に、こんないいかげんな記事をトップにもってくる。

泉下の菊池寛、池島信平が泣く。

菊池寛

『週刊新潮』(2月12日号)はグラビア5ページ、本文10ページで2・8総選挙特集。

「大マスコミは自維『300議席』予測 高市フィーバーの虚実」「大激戦 崖っぷち候補『11人』の独自情勢調査」「SNS選挙の勝者と敗者」

『新潮』の方が、読者の関心によほどまっとうに応えている。

「高村正彦元自民党副総裁が語る高市首相『台湾有事』発言」は必読。

落合信彦さん(享年84)が亡くなった。

落合信彦さん

昭和52年、田中健五さん(後に文芸春秋社長)が『週刊文春』の編集長に就任、「クレディビリティ(信頼性)のある週刊誌にする」と宣言。表紙を和田誠さんのイラストに変え、長い署名記事を載せるなど大改革を図った。

その時、笹川良一と児玉誉士夫の確執を描いた「二人の首領(ドン)」、米大統領ケネディ暗殺の謎に迫った「二〇三九年の真実」を引っ提げて、落合さんは颯爽(さっそう)と登場。

ぼくが担当で、しかも同じ齢(とし)だから気が合い、仕事も、夜のつき合いも一緒…。青春怒濤(どとう)の日々であった。

冥福を祈る。

(月刊『Hanada』編集長)

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