米雇用統計が試金石に、ロング偏重の債券市場-巻き戻しリスクも

Edward Bolingbroke

  • 強気筋は米国債先物でロング積み上げ、3日発表の雇用統計注視
  • 雇用統計が強めの結果で利下げを正当化できなければ利益圧迫も
Photographer: George Frey/Bloomberg

ここ数週間に米国債のロングポジションを急速に積み上げた債券トレーダーらは、3日発表の米雇用統計が相場上昇余地をさらに広げると期待している。

  7月4日の独立記念日の祝日前日に発表される6月の雇用統計は債券強気派にとって次の主要なリスクイベントだ。1日公表の米労働省雇用動態調査(JOLTS)では、5月の求人件数が予想外に増加したことから、労働市場の強さを示す兆候として受け止められ債券市場の売りを誘発した。

  シティのストラテジスト、デービッド・ビーバー氏はリポートで「米国債でロングポジションの積み増しが続いている」と指摘。過去1週間の強気ポジションの積み増しで足元の戦術的ポジションは「極めて一方向に偏っている」と付け加えた。

  これは米国債先物市場でも確認できる。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の未決済建玉データによると、トレーダーは最近の債券相場上昇局面でポジションを拡大しており、新規に構築されたロングポジションが最近の利回り低下を後押ししている。

  米10年債利回りが4.4%超から1日時点の4.185%まで低下する中、10年債先物では建玉が顕著に増加。2年債先物では10営業日連続で建玉が増えている。

  一方で、米国債市場の一方的なロングポジションは、雇用統計の結果次第で巻き戻し圧力にさらされる可能性もある。米国の労働市場が米金融当局による早ければ来月の利下げを正当化できないほど強いと判断されれば、トレーダーはポジションの解消を図る可能性がある。

  コロンビア・スレッドニードル・インベストメントのグローバル金利ストラテジスト、エド・アルフセイニ氏は、「市場は短期ゾーンでややロング気味で、ボウマンFRB副議長とウォラー理事の最近の発言を受けて7月利下げが約20%織り込まれている」と指摘。非農業部門雇用者数が20万人に近い場合など強めの結果となれば、確率はゼロに近づくリスクがあると分析した。

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原題:Bond Markets ‘Highly Extended’ Long Position Faces Payrolls Test(抜粋)

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