韓国大統領、トランプ大統領との初会談で北朝鮮との対話働きかけへ
韓国の李在明大統領は25日に予定するトランプ米大統領との初会談で、停滞している北朝鮮との対話の再開を働き掛ける。魏聖洛国家安保室長が記者会見で述べた。
李氏は24日から3日間の日程で訪米し、最近締結された通商合意を補足するとともに、その他の経済および安全保障の問題を協議する。日本をまず23日に訪問し、米国に向かう。
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訪米の最優先議題は通商と防衛だが、北朝鮮との信頼再構築に向けた動きをとるよう李氏はトランプ氏に要請すると、魏氏は説明した。
6月の大統領就任以来、李氏は北朝鮮との雪解けに取り組んでいるものの、朝鮮半島では依然として高い緊張が続いている。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は核武装化の「急進的な拡大」を呼び掛け、金氏の妹である金与正氏は19日、李氏について「歴史の流れを変える偉人ではなく」、地域外交の舞台で韓国は「雑用」の役割すら与えられないと発言した。
それでも、韓国政府は緊張緩和の取り組みを継続し、米国にも同様の対応を求めると魏氏は語った。
「米朝間で信頼構築と対話のプロセスが始まることを望んでいる。今回の首脳会談で、その議論が可能だろう」と魏氏は発言。「北朝鮮の姿勢は極めて硬直的で、短期的に新たな展開は期待しづらいが、それでもわれわれはそのプロセスを後押ししている」と続けた。
トランプ氏は1期目の任期中に、金氏と対面で3回会談したが、北朝鮮の核開発を抑えることはできなかった。
魏氏はまた、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展、同国とロシアの軍事協力の強化、米中対立の激化を挙げ、米韓同盟の強化と近代化が迫られていると指摘。
韓国は防衛力の強化に一段と貢献する用意があり、同盟国間で防衛費増額の協議が進められていると魏氏は述べた。北大西洋条約機構(NATO)加盟国が防衛支出の引き上げを公約したことにも言及したが、具体的な数字は「時期尚早」として明言を避けた。
トランプ氏は同盟国に防衛費増額を要求。韓国に対しては「マネーマシン」と呼び、在韓米軍2万8500人の韓国側負担額を年約10億ドルから50億ドルに増やすよう求めたことがある。
原題:South Korea’s Lee to Urge US-North Korea Talks at Trump Summit(抜粋)