NY外為市場=ドル上昇、先週の急落から持ち直し 今後の指標に注目

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して上昇。5月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 25日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して上昇。先週22日は連邦準備理事会(FRB)パウエル議長の9月利下げを示唆する発言を受けて急落していたが、この日は持ち直した。

パウエル議長は22日、年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」での講演で、雇用への「下振れリスクの高まり」に言及し、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに着手する可能性を示唆した。

これを受け、大手証券会社の間では、9月にFRBが25ベーシスポイント(bp)の利下げを行うとの観測が強まった。

こうした中、ストーンXの市場調査責任者マット・ウェラー氏は、「パウエル議長らが9月利下げに依然として傾いているのは間違いないが、今週発表される個人消費支出(PCE)コア指数や来週発表される雇用統計、8月の消費者物価指数(CPI)がインフレの高進と雇用見通しの悪化を示唆すれば、FRBは利下げを見送る方向に傾く可能性がある」と述べた。

CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む9月FOMCで少なくとも25bpの利下げが行われる確率は84.3%。前営業日の84.7%からは若干低下したものの、それでも1カ月前の61.9%から大きく上昇している。

主要通貨に対するドル指数は0.49%高の98.32と、1日としては7月30日以来、最大の上昇率となる見込み。

一方、ユーロは0.69%安の1.1634ドル。22日は一時、4週間ぶり高値となる1.174225ドルを付けていた。

ドルが年初来で9%超下落する一方、ユーロは12%超上昇している。ロンバー・オディエのチーフエコノミスト、サミー・チャール氏は、今後6─12カ月でユーロが約1.20─1.22ドルまで上昇すると予想している。

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