「日の丸にバツ印」掲げた大学生 あいまいな国旗損壊罪に「怖い」

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毎日新聞 2025/12/8 05:30(最終更新 12/8 08:08) 有料記事 English version 1545文字
参院選の投開票前日、参政党の街頭演説に抗議する人たち=東京都港区で2025年7月19日午後6時57分、滝川大貴撮影

 日本国に侮辱を加える目的で国旗(日の丸)を損壊したり、汚したりした者に刑事罰を科す――。高市早苗政権で、日本国国章損壊罪(国旗損壊罪)を刑法に新設する法改正が現実味を帯びている。

 自民党と日本維新の会の連立合意書に明記された他、参政党も法案を提出した。だが、専門家は「表現の自由」の侵害につながりかねないと指摘し、自民内でも異論が出ている。この問題をどう考えればいいのか。

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神谷氏「こんなことが許されるのか」

 今年7月の参院選投開票前日。参政の神谷宗幣代表が街頭演説した東京都港区の芝公園は異様な熱気に包まれていた。

 陣営によると1万人を超える聴衆が集まり、「日本人ファーストは差別」などと書かれたプラカードを掲げて抗議する人たちもいた。

 ひときわ目を引いたのが、大きなバツ印を付けた日の丸だった。

 神谷氏は10月、「こんなことが許されるのかと思った」と記者団に述べ、バツ印を付けた日の丸を見た数日後に法案作成を指示したことを明らかにした。「国をおとしめることをされることで、多くの人の人権が傷つけられる。公共の福祉に照らせば『表現の自由』で認められるものではない」と主張し、他党に協力を求める考えも示した。

 参政が同月、参院に提出した刑法改正案は「日本国に対して侮辱を加える目的」で国旗その他の国章を損壊し、除去し、汚損した場合に2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処する、と定める。日の丸にバツ印を付ける行為は「汚損」に当たる可能性がある。

 自民と維新の連立合意書は、来年の通常国会で国旗損壊罪を制定すると記したが、内容は定かではない。ただ、自民と維新、参政がまとまれば衆参両院で過半数に達し、法改正が可能になる。

 実際に、バツ印を付けた日の丸を掲げた人はどう考えているのか。当事者が毎日新聞の取材に応じた。

都内の大学生が語る「バツ印」の真意

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