愚かでした…〈資産1億円〉を達成した55歳サラリーマン、早期退職後わずか2年で天国から地獄へ。元部下に「雇ってくれ」と泣きつく末路【CFPが警告】(THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン))
早期退職(FIRE)を実現した人、または目指している人と話すと、「資産1億円をひとつの目安にしている」という話をよく聞きます。 この1億円という金額は、日本国内でも「富裕層」と呼ばれる水準です。野村総合研究所では「金融資産1億円以上5億円未満を保有する世帯」を富裕層と定義しています。 そして近年、富裕層の数は増加傾向にあります。同研究所の発表によると、2013年に95.3万世帯だった富裕層は、2023年には153.5万世帯にまで増加しました。 しかし、FIREは理想のライフスタイルとしてもてはやされる一方、「後悔している」という人も少なくありません。なかでも、想定外の原因により資産が短期間で急減し、泣く泣く再就職というケースも聞きます。 今回、「資産1億円」を達成して早期退職するも、想定外の現実に直面したある男性の事例を紹介します。
大学卒業後、医薬品メーカーに入社した福山隼人さん(仮名・57歳)には、若い頃から「経済的に自立したい」という強い思いがありました。そのため、20代のうちから株式や投資信託への投資に取り組み、コツコツと資産を積み上げます。 また50代に入り、不動産投資にも興味を抱いた福山さん。自分なりに勉強したうえで、中古アパートを一棟購入し、家賃収入を得ることで安定的なキャッシュフローを構築していきました。 長期分散投資が功を奏し、波はありながらも保有銘柄の価格は大幅に上昇。また不動産市況も好調で、福山さんの資産は想定以上に膨らんでいきました。 そして福山さんが55歳になったころ、ついに「純資産1億円」を突破します。長年の努力が実を結び、福山さんは念願だったFIREを実現したのです。 退職の日、送別会では部下たちは花束を手に集まり、感謝の言葉をかけてくれました。会場は笑顔と涙に包まれ、福山さんも胸がいっぱいになったといいます。 年間の不労所得は約400万円、月に換算すれば30万円以上。働かなくても生活できる計算です。 「これからは好きなことをしながら、ゆっくり過ごそう」そう心に決め、福山さんは新しい人生のスタートを切りました。