中国製造業活動の拡大ペース鈍化、貿易の不確実性を反映-民間調査

Bloomberg News

  • 10月の製造業PMIは50.6、9月の51.2から低下-レーティングドッグ
  • 外部環境の不確実性が生産拡大を抑制-創業者の姚煜氏

中国の製造業活動は10月に予想を下回る拡大にとどまった。民間の調査が示したもので、2025年の終わりに向けて経済の勢いに懸念が生じる結果となった。

  民間調査会社レーティングドッグが3日発表した10月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は50.6と、活動拡大・縮小の境目である50を3カ月連続で上回ったが、9月の51.2から低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は50.7だった。

  レーティングドッグ創業者の姚煜氏は発表資料で「10月は貿易の不確実性が高まり、新規輸出受注が急減して縮小領域に落ち込み、新規受注全体の数値を押し下げた」と指摘。「生産面でも、外部環境の不確実性が生産拡大を抑制した」とした。

  国家統計局が先週発表した10月の製造業PMIは、9年余りぶりの長期低迷に突入したことを示し、政策支援の強化を求める声が再び強まった。公式PMIと比較すると、民間の調査は規模の小さい輸出企業の動向をより反映する傾向がある。

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  トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談後、米国の対中関税は引き下げられ、中国の輸出業者は安心感を得たものの、今後の二国間貿易関係の悪化リスクに備えたい考えを依然として示している。また、中国経済は今年前半に堅調な成長を遂げた後、輸出前倒し効果の弱まりとともに減速する可能性がある。

  レーティングドッグによると、企業の景況感は過去6カ月で最低水準に落ち込み、新規事業と生産の伸びも9月から鈍化した。

  一方で、雇用創出のペースはここ2年余りで最速となった。レーティングドッグはその要因について「新規業務の流入が持続的に増加しているため」と分析している。

原題:China’s Factory Activity Growth Slowed, Private Survey Shows (2)(抜粋)

— 取材協力 Lucille Liu

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