U-20世代のJリーグ選抜vs関西学生選抜は2-2で両者譲らず!! PK戦で関西学生選抜に軍配

[5.13 ポストユースマッチ U-22 Jリーグ選抜 2-2(PK4-5) 関西学生選抜 J-GREEN堺]

 ポストユース世代の育成・強化を目的に始まった日本サッカー協会(JFA)とJリーグによる新施策「ポストユースマッチ」の第2回が13日、大阪府内で行われ、U-22 Jリーグ選抜と関西学生選抜が対戦した。Jリーグ選抜が前半42分にMF平賀大空(京都)のゴールで先制するも、後半に関西学生選抜が仙台内定のFW中田有祐(阪南大3年=仙台ユース)の2ゴールで逆転したが、Jリーグ選抜は後半37分にDF松本遥翔(鹿島)が左足ミドルで同点弾。2-2のまま両者譲らずにPK戦が行われ、関西学生選抜が勝利した。

 Jリーグで出場機会の少ない選手に育成・強化の場を与えるべく始まった新施策の第2回。Jリーグ選抜は初回に引き続いて今年9〜10月に控えるU-20ワールドカップに向けた強化を見据え、2005年以降に生まれた選手たちでメンバーを構成した。U-20日本代表コーチの菅原大介氏が指揮を執り、スタンドでは同代表の船越優蔵監督が視察。またロサンゼルス五輪代表の大岩剛監督、そしてA代表の森保一監督も試合の行方を見守った。

 Jリーグ選抜は4-2-3-1の布陣でGK内山翔太(新潟)がゴールを守り、4バックは左からDF北島郁哉(鳥栖)、DF土屋櫂大(川崎F)、DF森壮一朗(名古屋U-18)、松本。ダブルボランチはMF嶋本悠大(清水)とMF揚石琉生(栃木SC)が組んだ。サイドハーフは左に平賀、右にFW杉浦駿吾(名古屋)が入り、トップ下はMF名和田我空(G大阪)。1トップはFW井上愛簾(広島)が務めた。

 対する関西学生選抜は年上の3〜4回生中心のメンバー編成。4-2-3-1の布陣でDF山田和季(関西大4年=近江高)がゴールを守り、4バックは左からDF山本楓大(関西学院大3年=鳥栖U-18)、DF岡田佳己(大阪学院大4年=京都橘高)、DF古田東也(関西学院大3年=長崎U-18)、DF桑原航太(関西大3年=帝京長岡高)が並んだ。ダブルボランチはMF真田蓮司(関西大3年=東山高)とMF宮川大輝(関西大2年=G大阪ユース)が組み、サイドハーフは左にMF松井匠(阪南大4年=高知高)、右にMF鹿取勇斗(同志社大4年=桐光学園高)。トップ下はC大阪内定のFW金本毅騎(阪南大3年=C大阪U-18)が入り、1トップはFW藤枝康佑(桃山学院大4年=東山高)が務めた。

 試合の立ち上がりは両チームとも連係不足のミスが相次き、停滞感のある展開。前半8分、Jリーグ選抜は松本の鋭いボール奪取からショートカウンターを仕掛け、井上がペナルティエリア内まで強引に持ち運んだが、岡田のカバーリングに阻まれる形でシュートを打ち切れなかった。  対する関西学生選抜は前半17分、相手GK内山に藤枝が猛烈なプレッシャーをかけると、ロングキックをブロック。跳ね返ったボールはわずかに枠を外れたが、ノーチャンスのところからあわやゴールという場面を作った。  そうして迎えた前半18分、関西学生選抜は宮川のバックパスが長くなり、山田がゴールに向かおうとするボールをハンドで阻止。Jリーグ選抜にペナルティエリア内での間接FKが与えられた。ところが井上のパスを受けた名和田の連続シュートは鹿取、山田の連続ブロックに遭い、跳ね返りを拾った井上の右足ボレーも枠を外れ、絶好のチャンスを活かせなかった。  Jリーグ選抜はその後も立て続けにセットプレーのチャンスを迎え、前半23分には名和田のFKから土屋がヘディングで合わせるもGK山田の正面。関西学生選抜は同26分、鹿取が右サイドからカットインシュートを狙ったが、GK内山が横っ飛びで阻んだ。Jリーグ選抜は同28分、カウンターから平賀が持ち運び、スルーパスに井上が抜けるも、フリックのシュートはGK山田に阻まれた。  なかなか決め切れないJリーグ選抜だが、守備では左CBの土屋が出足の良いインターセプトを見せたり、ボランチの揚石や右サイドハーフの杉浦が献身的な動きで相手を阻んだりと印象的な働き。すると同33分にもチャンスを迎え、平賀のサイドチェンジを杉浦が頭で落とし、名和田が右足で狙ったが、大きく左に外れた。  そうして迎えた前半42分、Jリーグ選抜がセットプレーから試合を動かした。名和田の左CKにニアサイドで平賀が合わせようと試み、相手GKに阻まれた直後、再び名和田がインスイングの左CKをゴール前に送り込むと、またも平賀が反応。今度はフリーで頭に当ててゴールに流し込み、これがポストユースマッチ初ゴールとなった。  Jリーグ選抜は前半アディショナルタイム2分、井上のプレスバックでショートカウンターを仕掛け、杉浦の鋭いドリブルで速攻を仕掛けると、左へのパスを名和田がスルーしたことで平賀に渡り、すぐさまスルーパス。これに名和田が反応したが、ループシュートはGK内山に阻まれ、そのままハーフタイムを迎えた。

 後半開始時は互いに大幅なメンバー交代を実施。Jリーグ選抜はGKに張奥林(G大阪)が入り、4バックは左からDF野田裕人(川崎F)、土屋、DF田所莉旺(長崎)、森が並んだ。ダブルボランチは嶋本とMF由井航太(福島)が組み、サイドハーフは左にMF西原源樹(清水)、右にMF濱崎健斗(神戸U-18)。杉浦がトップ下に回り、1トップはFWワッド・モハメッド・サディキ(琉球)が務めた。

 対する関西学生選抜はGK宮本流維(関西学院大4年=名古屋U-18)が入り、4バックは左からDF赤熊大和(甲南大3年=就実高)、DF有吉勇人(甲南大4年=瀬戸内高)、古田、桑原。ダブルボランチは真田と宮川のコンビで変わらず、サイドハーフは左に鹿取が移り、右にMF山本青英(大阪経済大3年=東海大大阪仰星高)が入った。また2トップ気味の布陣となり、FW水永直太朗(大阪経済大2年=東海大大阪仰星高)と中田が組んだ。

 そうして迎えた後半3分、関西学生選抜がすぐさま試合を動かした。右サイドでFKを獲得すると、鹿取のキックから中田がゴール前でヘディングシュート。188cmの長身を活かしたフィニッシュワークで同点に追いついた。その後も関西学生選抜は鹿取のプレースキックでチャンスを作り出し、同18分には有吉のヘッドが左ポストを叩いた。  すると勢いに乗る関西学生選抜は後半21分、相手のバックパスが乱れたところからショートカウンターを仕掛けると、水永のワンタッチスルーパスに中田が反応。冷静にゴール左隅に流し込み、逆転に成功した。2027年から仙台に加入する中田は2ゴールを挙げ、プロ入りを前に上々のアピールを果たした。

 関西学生選抜は後半24分、宮川に代わってMF山本未来翔(大阪学院大4年=大阪学院大高)を投入。Jリーグ選抜も同25分、森と杉浦に代わって名和田と松本が再出場した。その後は拮抗した展開が続く中、Jリーグ選抜も名和田のプレースキックや濱崎のライン間侵入などで見せ場を作ったが、なかなか決め切れなかった。

 それでも後半37分、Jリーグ選抜は土屋の縦パスを嶋本がつなぎ、中央突破で攻撃を前進させるとサディキのパスに右SBから飛び込んだ松本が反応。左足ミドルシュートを突き刺し、同点に追いついた。さらに同42分にも濱崎のパスから名和田が左足で決定的なシュート。だが、こちらはGK宮本のファインセーブに阻まれた。  そのまま2-2で両者譲らず、PK戦へ。先攻のJリーグ選抜は名和田、西原、サディキ、野田が続けて成功し、後攻の関西学生選抜も真田、水永、中田、岡田が決め続けると、Jリーグ選抜5人目の松本のキックはGK宮本が止める。関西学生選抜は山本未が沈め、5-4で勝利を収めた。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集●第103回関西学生リーグ特集▶お笑いコンビ・ヤーレンズのサッカー番組がポッドキャストで配信中

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