中国株高が続く可能性、個人投資家の熱狂に至らず-急落にも警戒感

好調が続く中国の株式市場は個人投資家の熱狂的な盛り上がりを生んでいない。このため、急変動リスクを抑えながら株高が続いていく可能性がある。

  上海総合指数は18日、10年ぶりの高値を付けた。アナリストはその一因が債券よりも高いリターンを求める富裕層の資金流入にあるとみている。以前の株高局面と比べ、今回はポジション構築のペースが慎重だとも指摘する。

  株価上昇時に上がりやすいCSI300指数のヒストリカルボラティリティー(10日間)は、今年の最低水準と比べて数ポイント高い程度だ。昨年10月に相場が急騰した際の水準は大きく下回っている。

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  このトレンドはより持続的な株高期待を高め、中国株に対する投資家の信頼感の回復に寄与する可能性がある。

  西部証券のアナリスト、曹柳龍氏らはリポートで、「預金から株に資金を移す動きが加速していると一部の投資家は指摘しているが、われわれの分析では富裕層が動いている一方で、大半の個人投資家は株式や公募投信の直接購入ではなく、理財商品に向かっている」と記した。

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  個人投資家はまだ株買いに殺到していない。ブルームバーグの集計データによると、15日まで8週連続で株式に連動する上場投資信託(ETF)から資金が流出している。CSI300指数は同じ期間に9%超の上昇を見せていた。

  一方で、債券型のETFには資金流入が続いており、マネーマーケットファンド(MMF)の解約も少なかった。

  背景には、過去10年に何度も起きた株式相場の急落などを踏まえ個人投資家が抱く警戒感がある。企業業績の本格的な回復や経済の前向きな見通しもまだ見られない。

  とはいえ、個人投資家が抱える預金は記録的な水準まで積み上がっており、今後の相場押し上げ要因になる可能性もある。7月時点でその残高は160兆元(約3290兆円)超に達している。

  浙商証券は、約4兆2500億元相当が株式市場に流入する可能性があると見込んでいる。  

原題:China’s Stock Rally Has the Makings of a Durable Bull Run (1)(抜粋)

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