強盗殺人事件で技能実習生逮捕 里帰り中に…日本語講師の女性死亡 中国から悼む声
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佐賀県・伊万里市で40歳の女性を殺害し現金を奪い取ったとして、ベトナム国籍の技能実習生が逮捕されました。亡くなった女性は海外との懸け橋になろうと、日本語講師として働いていたといいます。
母と娘に切りつけ現金奪う
伝えていたのは言葉のみならず、日本の文化でした。中国の大学で日本語講師をしていた椋本舞子さん(40)。夏休みを使った里帰り。その矢先、実家で事件に巻き込まれました。
佐賀県伊万里市で26日夕方、椋本さんの実家のインターフォンがなります。玄関前に立っていたのは1人の男。
強盗殺人の疑いで逮捕・送検されたベトナム国籍のダム・ズイ・カン容疑者(24)です。ダム容疑者は刃物で椋本さんと母親を襲い、1万1000円を奪ったとみられています。
集落が騒ぎに陥る中、ダム容疑者は母親を追いかけてきたといいます。
70代の母親は切りつけられ、椋本さんはその場で死亡が確認されています。
ダム容疑者は現場からわずか数十メートルの場所での寮暮らし。寮からは血の付いた刃渡り13.5センチのナイフが見つかっています。技能実習生として来日し、自宅から2キロ離れた食肉加工工場で働いていました。
職場で不満を口にすることは無かった一方で、ベトナムで暮らす父親とみられる人物にはこんな話をしていました。
「『給与が低いし、残業できないから稼げない』と」
ダム容疑者と椋本さんとの接点は確認されていません。
中国で陶磁器の生産地として長い歴史を持つ、景徳鎮市。椋本さんが勤めていた学校では、生徒に日本語だけでなく日本の魅力も伝えるなど、生徒たちから慕われていたといいます。
日本人があまりいない街で、椋本さんの存在をはっきりと感じたという女性がいます。友人の清水さんは4カ月前、景徳鎮市で会ったばかりでした。
秋に再会を約束したメッセージがスマートフォンに残されています。
警察の調べに対し、ダム容疑者は「何も話したくありません」などと容疑を否認しています。