「すごい悔しい思いをしながら…」神橋良汰はピッチに立った。CBが手薄な川崎フロンターレでプレーに昇華していく【コラム】

 JリーグYBCルヴァンカップ・プライムラウンド準々決勝第1戦が3日に行われ、川崎フロンターレはアウェイで浦和レッズに1-1で引き分けた。8月下旬にデビューを果たした神橋良汰は、最終ラインが手薄な状況もあって出場機会を増やしている。アカデミー出身の大卒ルーキーは自らのプレーを振り返りながら、闘志を燃やしている。(取材・文:江藤高志)

「もう1回考え直さなきゃ」

【写真:編集部】

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 神橋良汰が途中交代出場の試合を振り返った。

 神橋はアウェイでの浦和とのJリーグYBCルヴァンカップ・プライムラウンド準々決勝第1戦に途中交代出場。先発のジェジエウの負傷により、81分から出場すると、ビハインドを1点にとどめるべく、最終ラインに立ちはだかった。それが、90+5分の伊藤達哉の同点弾を後押しした。

「点が、自分が入ってから取れたっていうのは、ポジティブなところです」

 そう話しつつも反省すべき部分もあるのだと話す。

「1つ2つ自分の、時間帯に適したプレーかどうかっていうのは、もう1回考え直さなきゃいけないプレーってのはありました」

 特に苦労していたのが、マテウス・サヴィオとの1対1だった。たとえば89分には仕掛けられた状態で足を出し、外され、その流れの中でペナルティーエリア内での接触プレーが生まれてしまった。PKをアピールされたが、御厨貴文主審はノーファールと判断。またVARも御厨主審の判定を支持したようだ。

 90分にもサヴィオにアタックを掛けて奪いきれず。横パスを通されてチャンスを広げさせてしまった。相手のエースとの1対1で反省すべき点はあったのだが、そうした課題については試合後に、チームメイトとの話し合いの中で解決済みなのだという。


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「試合後に、選手とコミュニケーションを取って、最適解みたいなところを出せたので。そこは自分の中で頭の中で整理して、まあ、次の試合に向けてやっていければなと思います」

 試合後に問題を特定し、話し合いの中で最適解を導く。良いスピード感に思える。

 2失点目を与えなかったことによる引き分けという結果については「チーム的に試合前に、2−0、3−0で試合終わって、ホームに迎えようっていうミーティングをした中で、やっぱり現実はそうまくいかない」ことを痛感しつつ、連戦で疲弊する選手たちに対し、できることをやろうとしていたのだという。

「みんなも体的に、すごく苦しいだろうなっていうのは外から見てて思ったんで。自分が出た時に、声だったり、振る舞いのところで、鼓舞できればいいかなっていうところで。途中から入って、コーチングというか、盛り上げる声っていうのはすごい意識的に出しました。そういったところが、プレー直接ではないんですけど、雰囲気含めてちょっと変わったのであれば良かったかなと思います」


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 ちなみに、町田戦からの中2日での第1戦がベンチスタートだったことについては「今回の試合に関しては、まずスタメンで出たかったなっていうところはありますけど」と悔しそう。

 その上で「ただ、出された時間というか、与えられた時間に対して、自分がどう勝利に貢献できるかってところを常に考えているんで。まあ、ああいう、本当に短い時間ではありましたけど。自分が入って、試合が動いたっていうのは大きいところかなと思います」と胸を張っていた。

 なお、浦和では同学年の根本健太が先発フル出場しており、その姿を見て奮起したのだという。

「相手の浦和のちょうど同い年である根本(健太)がセンターバックで出てましたけど。今日スタートで出てて。すごい悔しい思いをしながら、試合を見てたので。より出たい気持ちが強くなりました」

 そんな試合への強い思いを、僅かな時間しかない練習日の中でどれだけプレーに昇華することができるだろうか。そして、その思いをどこまで長谷部茂利監督に認めてもらえるだろうか。

 前述の通り、試合中に新たにジェジエウが負傷。また土屋櫂大がU-22日本代表招集中ということもありCBは手薄な状態だ。当然、第2戦に向けて神橋にかかる期待も大きくなる。「もう本当にそこは目指してやりたいです」とスタメンに向けて闘志を燃やしていた。

 浦和とのルヴァン杯準々決勝第2戦のメンバー発表を楽しみに待ちたい。

(取材・文:江藤高志)

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【了】

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