EVはすべてをタッチパネルに変えたが、物理的なボタンに復活の兆し(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)

ノブやハンドルをタッチスクリーンに集約してきた数年を経て、一部の自動車メーカーは電気自動車(EV)に物理ボタンを再導入し始めている。専門家によれば、テスラのスクリーン重視のスマートなアプローチが、EV業界全体をかたちづくるのに一役買ったという。世界各地の規制当局が、ドアハンドルや車内スクリーンの安全性に関する新ルールを導入しているのに伴い、状況が変わりつつある。 自動車メーカー各社は、電気自動車(EV)化を進める際に、デザインのスマート化とデジタル化も進めてきた。 【全画像をみる】EVはすべてをタッチパネルに変えたが、物理的なボタンに復活の兆し 冷暖房を操作するノブが姿を消し、ドアハンドルがボディパネルのなかに格納されるようになり、オーディオのボリュームつまみはハプティクス(触覚技術)式スライダーへと置き換わった。 ところが最近、規制当局の圧力と顧客の反発を受け、業界大手の一部メーカーがその路線を反転させ、物理的なボタンを復活させつつある。 2027年に予定されているアウディ「e-tron」のアップデートでは、「触覚」を重視したインテリア体験が約束されている。また、アップル(Apple)のデザイン責任者だったジョナサン・アイブ(Jonathan Ive)の協力を得て設計されたフェラーリ初のEVの操作パネルには、物理ボタンが随所に配置された。テスラでさえ、フラッシュ(格納式)ドアハンドルのデザインを見直している。 フォルクスワーゲンのデザインチーフを務めるアンドレアス・ミント(Andreas Mindt)は、2025年のAutoCarの記事のなかで、自動車にデジタルスクリーンが氾濫していることについて尋ねられた際に、こう述べた。 「我々はあのような過ちを、決して繰り返さない」 「なんといっても、これは車だ。電話ではなく、車なのだ」

大きなスクリーンへと向かう潮流には、美的感覚、経済的な側面、そして大手メーカーの影響力が関係していた。 ポッドキャスト「ホイール・ベアリング(Wheel Bearings)」のホストのひとりであるサム・アブエルサミド(Sam Abuelsamid)がBusiness Insiderに語ったところによれば、すべてはテスラの主導で始まったという。 テスラが最初にゼロから設計した「モデルS」は、インターフェースの大部分がひとつの17インチスクリーンに集約されていた。 「そうすると、ハイテクな見た目と雰囲気が強くなる」とアブエルサミドは言う。 「コストの削減にもなる。物理コントローラーを開発して信頼性を検証するには、膨大な費用がかかるからだ」 テスラの販売が伸び始めると、業界もそのスマートなスタイルを真似しようとした。不要なものをそぎ落としたテスラのアプローチの影響が、業界全体ではっきり見えるようになった。 フォルクスワーゲンの「ID.4」には、冷暖房の操作ノブがまったくなかった。リビアン(Rivian)のEVのドアハンドルは電動で、なめらかにドアフレーム内部に格納された。フォードは「マスタング・マッハE」と「F-150ライトニング」の中央に、大きなタブレットを追加した。 テスラは、さらに一歩踏み込み、「モデル3」から方向指示器(ウィンカー)の物理レバーを排除した(のちに復活させている)。 当初は、テクノロジーを前面に押し出したそうしたアプローチが、ターゲット層に対して効果を発揮していた。 「それは、突き詰めれば、顧客がそうしたテクノロジーを選ぶ人々だからだ」 イリノイ大学で土木環境工学のアシスタントプロフェッサーを務めるエレフセリア・コントゥ(Eleftheria Kontou)はBusiness Insiderにそう話した。 「EVの買い手として最も多いのは、環境保護に関心のある人と、テクノロジーに傾倒している人だ」とコントゥは続けた。 「彼らは新しいテクノロジー・ガジェットを求めているのだから、EVが非常に魅力的な選択肢になる」 だが、EVがテクノロジー好きの枠から飛び出し、より広い市場へ進出するのに伴い、期待されるものは変化した。

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