マイアミでF1史上初の「レインハザード」が発令。決勝に向けた影響、セットアップ変更の余地

国際自動車連盟(FIA)は2026年F1第4戦マイアミGPの決勝に先立ち、今季より新たに導入された「レインハザード」を初めて宣言した。F1公式気象サービスが、レース中のいずれかの時点で降水確率が40%を超えると予測したことを受けた措置だ。

だが今回のマイアミGPで問題となっているのは、雨だけではない。日曜午後には雷雨の可能性があり、F1は決勝当日のタイムテーブルを変更。決勝レースについて、当初予定の現地時間16時から13時へと3時間前倒しすることを決定した。

日曜の気象予報と、スケジュール変更の背景

マイアミGPでは予選後に、決勝当日のスケジュールを変更するかどうかを協議する会合が開かれた。その焦点は、決勝時間帯に雷雨が接近するかどうかにあった。

懸念の中心にあるのは、降雨よりも落雷だ。アメリカ国立気象局は、雷鳴や落雷が約10~16km以内で確認された場合、屋外のスポーツイベントを停止すべきと勧告している。さらに、イベント再開に際しては、最後の雷鳴から少なくとも30分待つことが推奨されている。

予報では、日曜午後に「広範囲の雨と局地的な雷雨」の可能性が示されている。降水確率は日曜午後遅くから夕方にかけて最も高くなる。

雷雨が発生した場合、1時間あたり25〜35mmの雨、落雷、秒速約14〜22mの突風、さらに雹を伴う可能性もあるとされる。

公式声明によれば、3時間の前倒しは「レースへの影響を最小限に抑え、最良のコンディション下でグランプリを完了させるための最大の時間枠を確保し、ドライバー、ファン、チーム、スタッフの安全を優先する」ために下された。

実は、レインハザードについて判明している内容は限られている。というのも、規則に書かれている内容は極めて限定的で、その詳細は非公開文書に記されているためだ。

当初は、パルクフェルメ規則を大幅に緩和し、チームが予選後に雨用セットアップへ自由に変更できる制度なのではとの見方もあった。

だが実際にはそこまで踏み込んだものではなく、予選に向けて確定したセットアップは原則として決勝にも引き継がれることになるようだ。

ただし、プランクの過度な摩耗による失格リスクを抑えるため、フロント側のアクティブエアロ設定および車高調整が認められる見通しだ。

天候悪化に伴うプランク摩耗リスク

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マイアミ・インターナショナル・オートドローム(F1マイアミGP)のコースレイアウト図と、ストレートモード区間及びオーバーテイクモード検出・稼働地点

ウェットコンディションになった場合、安全上の理由からストレートモード(SM)の稼働区間が「低グリップ・アクティベーション・ゾーン(上記図参照)」に限定されることがある。これは稼働区間を削減するものであり、1周を通して低車高状態がより長く続くことを意味する。

というのも、非ストレートモード、つまりコーナーモードの状態では、車体を路面に押し付ける強力なダウンフォースが生成され続けるためだ。

最大ダウンフォースで車体が路面に押し付けられる時間が長くなれば、車体下面のプランクが想定以上に削られ、規定摩耗量を超えるリスクが生じる。

規定値以上にプランクが摩耗すれば、技術規則違反として失格処分が科されることになる。こうした事態を防ぐ事が、レインハザードの目的の一つと見られる。

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