欧州首脳ら、ルーマニア大統領選の中道派勝利歓迎
18日に投開票されたルーマニア大統領選の決選投票で、親欧州連合(EU)を掲げる中道のニクソル・ダン氏(55)がEU懐疑派の極右政党ルーマニア人統一同盟のジョルジェ・シミオン氏を破ったことを受け、西側欧州各国や金融市場は歓迎した。写真は18日、ブカレストで演説するダン氏。(2025年 ロイター/Stoyan Nenov)
[ブカレスト 19日 ロイター] - 18日に投開票されたルーマニア大統領選の決選投票で、親欧州連合(EU)を掲げる中道のニクソル・ダン氏(55)がEU懐疑派の極右政党ルーマニア人統一同盟のジョルジェ・シミオン氏を破ったことを受け、西側欧州各国や金融市場は歓迎した。欧州で民族主義的な論調が強まる中、ルーマニアの右傾化が懸念されていた。
首都ブカレスト市長のダン氏の得票率は約54%。第1回投票では、トランプ米大統領を熱烈に支持するシミオン氏が躍進していた。ダン氏は、不正との闘いやウクライナへの支援継続、親欧州などを掲げていた。
ダン氏は19日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と公式に対話。「ルーマニアはNATOの強固な構成国であり続けると伝えた」と述べた。ダン氏は、フランスのマクロン大統領、隣国モルドバのサンドゥ大統領とも話した。
ダン氏は今後、新首相を任命する。関係筋によると、ボロジャン暫定大統領と今後の連立協議などについて議論する予定という。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は「ルーマニアの人々は、開かれた繁栄する路線を選択した」とXで祝意を表明した。
6月1日に大統領選の決選投票が実施される見通しのポーランドのトゥスク首相も、ドイツのメルツ首相らと同様、今回の結果を歓迎した。
今回の大統領選は、2024年11月の選挙で極右の親ロシア派候補ジョルジェスク氏が予想外の首位に立った後、ロシアによる選挙介入の疑いが指摘され、憲法裁判所が無効宣言したことから、やり直しで実施された。
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